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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

【100号特集】24社に聞く、経営構想におけるマーケティング

「OMOの推進」と「若年層の獲得」を着々と進めるユナイテッドアローズの構想

スタッフの力を活かし、ECコンテンツを拡充

──OMOの推進や若年層の獲得を実現するために、現在描いている構想をうかがえますか。

 OMOに関しては集客と接客、CRMの要素が必要になってきますが、店舗は店舗網を広げて一番近いお店に来てもらうしかありませんし、集客には限界があります。そのため、店舗で買うかもしれない方もECで買うかもしれない方もすべてEC上に集まる設計にできないかと思い、ユナイテッドアローズオンラインとしてリニューアルしました。

 商品を購入する機能を提供するだけでなく、商品レビューやスタッフページなど、コンテンツを拡充することで、購買から遠い方にもコンテンツを見てもらう場所としてECに集客しました。その結果、欲しくなったら店舗でもECでも好きなほうで購入してもらうという流れです。

 店舗で商品を購入したUAクラブ会員の30%が1週間前にECを閲覧しており、コンテンツに対するニーズの高さが明らかになっています。さらに2023年8月に開始したUAクラブは、購入だけでなくお気に入り登録などのアクションに応じてマイルが貯まる仕組みを設け、購買以外の部分のつながりを強化しています。

UNITED ARROWS ONLINEではスタイリングなどスタッフによるコンテンツが充実している
UNITED ARROWS ONLINEではスタイリングなどスタッフによるコンテンツが充実している

 これらの取り組みが実現できているのは、店舗で働くスタッフがいるからです。スタッフは最大の資産なので、いかにスタッフが輝けるかを意識するようにしています。ECで展開しているコンテンツの中でも、スタッフに関するページが特にPVを獲得していますし、そこからのCVRも高まっています。

ユナイテッドアローズのコミュニケーションのすべてを担う

──ユナイテッドアローズのマーケティング部門が果たすべき役割についてどのように考えていますか?

 ユナイテッドアローズのマーケティングを担うOMO本部は広告や集客、CRMを担当するデジタルマーケティング部、EC周りを担当するEC部、広報PR部、他複数の組織が存在し、コミュニケーションに関するすべての機能を集約しています。

 これらの機能が同じ本部に存在することで横の連携を強化し、1つのキャンペーンを一気通貫で動かせるようにしています。

──デジタルマーケティング、EC、PR、どの職種も人材採用や育成が大変かと思いますが、組織・人材の強化について中長期的に取り組んでいることはありますか?

 マーケティングよりも財務などビジネスパーソンとして必要なビジネスパーソンの基礎を身に付けてもらうことを全社的に行っています。マーケティングの知識はあるけど損益計算書は読んだことがないのでは困るので。

 また、デジタルマーケティング部はCRMや広告、アプリなど各領域のスペシャリストを採用しています。一部兼任はありますが、基本的にはこれまでのキャリアで培ってきた力を発揮してもらっています。

 一方でPRは、SNS運用のロジックを攻略する観点も必要ですが、それよりも「どんな洋服を着ると気分が上がるか」といった感性の部分が重要です。そのため、PRには長年働くスタッフからZ世代のスタッフまで様々な社員が在籍しています。SNSのロジック部分はSNS運用の専門チームがサポートすることで、感性とロジックを両立しています。

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瞬発的な施策はせず、計画的な施策で購入につなげる

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/20 10:45 https://markezine.jp/article/detail/45484

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