マーケティング&アライアンスである重要性
──NDPにおいてマーケティングはどのように作用するのでしょうか?
通常のテクノロジー会社において、マーケティングはコーポレート部門に入ることが多いと思います。当社もコーポレートに関する広報やブランディング、マーケティングインテリジェンスの機能はこちらに所属しますが、ビジネスに付随するマーケティングはマーケティング&アライアンス推進部門が管掌しています。
NDPでは、大きくDX人材/ナレッジ、ビジネスモデル、テクノロジーの3つを提供します。これらを各社の課題に応じて柔軟に組み、顧客体験の改革、組織・人材や業務の変革などの価値を実現しています。特にビジネスモデルでは「マーケティング、上流コンサル、SI・デリバリー、保守・運用」を切れ目なくつなぎ、クライアントの要望に応えられることを目指しています。ここでのマーケティングとは主に、フィールドマーケティングとプロダクトマーケティングの2つの機能を担っています。
──2つのマーケティング機能が注力している点をうかがえますか。
大きく3つあります。特定の顧客セグメントに合致したマーケティングメッセージおよびオファリング情報を的確に届けて事業拡大を図ること、ポートフォリオの最適化を図ること、社内の組織連携に向けた情報提供と仕組みづくりです。
1つ目は、前提として特にフィールドマーケティングへの注力が挙げられます。DXやAI活用は、経営者に一定の理解をいただき、了承されないと導入に至りません。経営判断に深く関係するので、フェイスtoフェイスの接点を拡大しています。特定業種、特定業界の方々に、NECの提供価値や業種ごとの事例をしっかり伝えるリアルのセミナー機会などを増やしながら、同時にデジタルの場やコミュニティ活動も強化しています。
2つ目のポートフォリオ最適化は、プロダクトマーケティングに関することです。プロダクト部門と共同で、NDPの中に入る製品群を、様々な観点から分析・整理しています。また、戦略的にパートナー企業と提携することもあります。
──外部とのアライアンスも、クライアント企業のポートフォリオを最適化していく手段ということですね。
はい。お気づきかもしれませんが、私の部門はマーケティングだけではなく、アライアンス推進も兼ねています。アライアンスはプロダクトマーケティングの非常に重要な部分です。両方を同じ部門が進めることに価値があると考え、この形になりました。
3つ目の社内の組織連携に向けた情報提供と仕組みづくりでは、前述のようにクライアント業種単位だった部門が別々に有していた知見や資産を集約して、一定の部分は標準化して共通化していきます。こういった基盤集約やビジネスモデル変革を行う上で、社内の意識の転換や定着を図るインナーマーケティングも担っています。そのためには全体像を可視化し、事例や進捗を共有し、顧客の間で何が流行っているか、どんな手法がうまくいったかなどを皆でつかんでいくことが大事です。