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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

リテールのマーケティングトレンド

イオンの新ネットスーパー「Green Beans」に学ぶ、顧客基盤ゼロからのリテールメディア立ち上げ

小規模メーカーにもビジネスチャンス EC商品棚の可能性とは?

――Green Beansでは、早くからリテールメディアを展開されています。貴社でリテールメディアの展開に注力してきた理由と展開するメディアの特徴について教えてください。

 私たちは、Green Beansのサービス開始と同時にリテールメディアを開始しました。リテールメディアは、関わる人全員がハッピーになれる新しいメディア形態であると考えています。EC内の広告枠を活用するため、リテール側にとってもメーカー企業様側にとっても商品が売れやすくなるからです。その上、お客様にとっても、ECに来訪して購買意欲が高まっているタイミングで広告と接触するため、新たな商品との出会いの機会にもなり得ます。

 当社のリテールメディアでは、「バナー広告」「独自データの分析」「商品検索広告」の三つの商材を扱っています。

 バナー広告は、Green Beansのサイト上部に設置されているものです。メーカーが商品キャンペーンやブランド認知向上の目的で活用することができます。

 独自データの分析では、Green Beansに出品や広告出稿などを行う際に、CVRを向上させるためにお客様の購買データや検索データなど活用します。

 商品検索広告は、お客様が入力した検索キーワードに沿って広告配信が行えるというものです。商品を検索するということは、「その商品を欲しいと思っている」ということですので、検索キーワードに合わせて広告を出せるのは大きな強みだと感じています。加えて、セマンティック検索に近いことが行えるのも商品検索広告の特長の一つです。

 たとえば、お客様が「なす」というキーワードを検索した時に、なす料理に使う調味料の広告も一緒に掲出し、“ついで買い”を促進することができます。これは購買率を上げるといった観点で非常に効果的ですね。

画像を説明するテキストなくても可
検索したキーワードに合わせて関連商品がオススメされる

――これらの機能はリアル店舗で置き換えると、バナー広告は店内の「POP」で、商品検索広告は「棚取り」という感覚でしょうか?

 まさにその通りです。よく店頭で売るのに重要なのは「棚取り」だといわれますが、リアルの店舗では商品棚のスペースに物理的な制限がありますよね。しかし、「EC上の商品棚」ではキーワードごとに棚を取れる上、スペースの制限もありません。

 そのため、どのキーワードでどの広告を出すかの戦略次第では、今まで実店舗の棚取りに苦戦してきた小規模のメーカーなどでも売上を大きく伸ばすチャンスがあると考えています。

リテールメディア立ち上げの3フェーズ

――新興のサービスであるGreen Beansのリテールメディアを広告主に使ってもらうにはそれなりの工夫が必要だったと思われます。どのような戦略を立てたのですか?

 私はリテールメディアを立ち上げる際には、3ヵ年で計画を立てるのが良いと考えています。1年目はとにかく学んで研究するフェーズ、2年目は新規で出稿するメーカー企業様を増やすフェーズ、3年目は、既存の広告主の出稿量を増やすフェーズです。

 当社においての1年目は2023年で、日本においてリテールメディア自体が注目され始めたタイミングでした。そのため「一社では何もできないので、一緒に研究してほしい」とメーカー企業様に呼びかけたんです。結果、様々なカテゴリーの計数十社から協力の申し出を得ることができました。

次のページ
リテールメディアにおけるメーカーと小売の理想の関係性

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この記事の著者

三ツ石 健太郎(ミツイシ ケンタロウ)

早稲田大学政治経済学部を2000年に卒業。印刷会社の営業、世界一周の放浪、編集プロダクション勤務などを経て、2015年よりフリーランスのライターに。マーケティング・広告・宣伝・販促の専門誌を中心に数多くの執筆をおこなう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/07/17 07:30 https://markezine.jp/article/detail/45890

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