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「検索」から「対話」へ 老舗『Rtoaster』が描く、生成AI時代の“出会うUX”

 ECにおける購買体験を支えてきた「検索」と「レコメンド」が、生成AIの登場で大きな転換点を迎えている。商品名を打ち込むのではなく、「義父への還暦祝い」「優雅な休日を過ごしたい」など、「状況や気持ち(シーズ)」を投げ掛け、対話しながら“出会う”UX。そんな体験を目指すのが、ブレインパッドが18年間進化させてきた「Rtoaster」に生成AIを組み合わせた対話型レコメンド「Rtoaster GenAI」だ。生成AI元年とされる2025年、マーケターの“不”を解消する同サービスについて、同社セールスマーケティング副統括ディレクターの皆瀬雄貴氏と、プロダクトマーケティング担当の中田一平氏に話を聞いた。

“検索疲れ”時代に、ECは“対話型”へ深化

MarkeZine:本日は、ブレインパッドが新たに提供を開始した、“感覚的な言葉”による検索を可能にする「Rtoaster GenAI」についてお伺いしていきます。はじめに、「対話型レコメンド」の開発に至った背景についてお聞かせください。

皆瀬:EC上に「あなたへのおすすめ」というレコメンド表示枠が定着化して10数年、機能としては当たり前どころか、むしろ必須の機能となりました。一方、品質・精度を追求する中で、EC事業者からは「なぜこの商品が表示されるのかわからない」、消費者からは「検索してもなかなか見つからない」と、双方ともに“レコメンドの仕組みへの不満”が生まれていました。 従来の“レコメンド表示の常識”が、いよいよ転換期を迎えつつあるな、と危機感を感じたのがきっかけです。

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株式会社ブレインパッド セールスマーケティング 副統括ディレクター 皆瀬 雄貴氏

中田:また最近では、検索・レコメンド・ポップアップといった“気の利いた機能”を活用する選択肢が増えた分、事業者の自社都合の設定によって、消費者がかえって選択肢に戸惑う「迷いの体験」も生まれていました。おすすめが並ぶ中で、“自分で決める疲労感”が高まり、購買が迷いそのものになってしまう。目的買いではなく、ウィンドウショッピングのような「偶発的な出会い」を求める顧客に対して、既存の検索UXは機能的にフィットしなくなってきたのです。

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株式会社ブレインパッド プロダクトマーケティング担当 中田 一平氏

皆瀬:そこで、私たちはリアル店舗、すなわち「店頭接客における対話」に着目し、生成AI技術を活用し「出会ってほしい商品」と「伝える言葉」を再設計することにしました。

生成AIで生み出す、新たな検索体験

MarkeZine:「Rtoaster GenAI」を活用することで、ECの検索体験はどのように変わるのでしょうか?

中田:従来は企業側の都合でプリセットされたカテゴリや検索ワードに従った検索が普通でしたが、「Rtoaster GenAI」では、顧客の気持ちなど「曖昧なワード」による、より自由な検索が可能となります。たとえばユーザーが「優雅な休日を過ごしたい」「3歳の子供がいる友だちが喜びそうなもの」といった、情緒的なフレーズを入力すると、それに応じて商品候補が提示されます。

 ポイントは、単なる検索結果一覧を返すのではなく、「おすすめ商品」に加えて「ちょっとした一言コメント」が生成される点です。たとえば「上質な肌触りで至福の時間を。オーガニックコットンアイテム」「お子さんのいるご家庭に!すっきり収納アイテム」といったような、“気の利いた一言”を添えることで、ユーザーの気持ちに寄り添ったテキスト文とレコメンド商品の表示が実現できます。

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「Rtoaster GenAI」による検索イメージ(クリックすると拡大します)

皆瀬:実はこれ、同じキーワードを入力したとしても、毎回表示が変わるんです。でもこの「毎回微妙に違う、気の利いたコメント」が、導入したクライアントからも非常に高く評価されています。「単なるAI回答ではなく、人間らしい接客トークに近い」というフィードバックももらっています。

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店頭での「自然な声かけ」や「偶然の出会い」をECで再現

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提供:株式会社ブレインパッド

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2025/06/23 10:00 https://markezine.jp/article/detail/46059

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