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改革にともなうオペレーションの不備、手探りのKPI設定……リコーとfreeeが語るマーケの失敗談

営業がアウトバウンドを後回しにする理由

鎌田(freee):営業チームは短期的な受注数を追っているため、インバウンドやホットなリードに優先してアプローチします。その結果、会社の重要ミッションである「アウトバウンドの開拓」が進まない状況を生んでしまったのです。

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富家(EVeM):「今日明日で見積もりがほしい」と言うお客様と「来週1回打ち合わせをしましょう」と言うお客様を、同じ優先順位で対応できるわけがありませんよね。前者に集中してしまった結果、後者がおざなりになると。

鎌田(freee):おっしゃるとおりです。この失敗から得た教訓は、今村さんの冒頭のお話にも通じますが「マーケティング戦略は営業戦略とイコールであるべし」です。営業チームの中に流入チャネル別の分科会をつくったり、評価手法の最適化をしたりと、短期の受注金額だけを評価指標にしない工夫をした結果、受注率が改善しました。

富家(EVeM):ありがとうございます。残念ながらお時間が迫ってまいりました。最後にお二人から、失敗と向き合い奮闘するBtoBマーケターの皆さんにメッセージをいただけますか?

今村(リコー):私自身、ほとんどの取り組みにおいて1回目は失敗した記憶があります。「いかにその失敗を改善するか」「社内で仲間をつくるか」が重要ではないでしょうか。

 マーケティング組織を立ち上げたとき、私はマーケティングのスペシャリストだったわけではありません。外部から知見を得ながら成長してきた自負があります。営業担当者からも「どんな課題があるのか」を徹底的にヒアリングした上で、施策を考えていました。

 会社全体の収益に責任を負うCRO(Chief Revenue Officer)になりきって自身の業務を進めると、皆が同じ方向を向けると思います。私もマーケターの仲間として、皆さんと一緒に頑張りたいです。

組織を巻き込み動かせるマーケターに

鎌田(freee):マーケターはどうしてもSFAやCRMなど、顧客データベース上の数字情報だけで意思決定をしがちですが、生の一次情報にも目を向けるべきだと思います。たとえば商談に同席して「営業担当者が何を感じているか」を汲み取ることも有用です。そのようにして得た示唆を、自分だけの知見として抱え込むのではなく、組織の共有知として活用しましょう。その上で、データに基づき組織へ提言する役割をマーケターが担うべきだと感じます。

富家(EVeM):組織運営と施策実行の失敗事例について、ディスカッションさせていただきました。組織の話を先に持ってきた構成には理由があります。マーケターは戦術や施策を考えるだけでなく、組織を巻き込んで動かすことができなければ、成果を出すことが難しいためです。BtoBマーケターとして高みを目指すのであれば、自分でコントロール可能な範囲から一歩踏み出さない限り、ビジネスに貢献し得る成果は生み出せない気がします。

 今日の話を聞いて、皆さんが置かれている状況と照らし合わせながら「何が今の自分にとって必要なのか」を考えていただくきっかけになれば幸いです。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/07/10 08:00 https://markezine.jp/article/detail/46069

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