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マーケティングの近未来

儲かる広告主に共通する6つの条件/Cookieレス時代にそのセオリーはどう変化するのか?

「Rank 1st theory」理論を分解

 ここで、コスト優位性を担保するためには、CVRとCPCの変化率を確認するのが重要になる。じつは、これが、コスト観点では、最重要な条件だ。掲載順位が上昇すると当然、クリック課金額(CPC)も徐々に上昇する。重要なのは、このCPCの上昇率(変化率)がCVRの上昇率(変化率)よりも大きいか小さいかである。

図表3:順位とCVRとCPCの関係
図表3:順位とCVRとCPCの関係

 先ほど記載した1から5までの条件が整う場合、条件6(結果的に「CVR変化率>CPC変化率」になっている)が付いてくる、というのが私の経験だ。たとえば、3位から2位、そして、1位に掲載順位があがっていくとき、CPCは3位で50円、2位で57円、1位で62円など、CVRの変化率に比較すると、緩やかに上昇していく。

 一方で、掲載順位が2位から1位になったとき、「first mover advantage」がうまく機能するケースでは、2位のCVRが1%で、1位になるといきなりCVRが3%になったりする。つまり、CVRが3倍になるということだ。

 このように「first mover advantage」が効く状態では、CVRの変化率のほうが大きくなりやすいので、獲得単価CPAも安くなる。なぜなら、CPAの計算式は、分母がCVRで、分子がCPCで構成されるからだ。

図表4・CVRとCPCの変化率
図表4:CVRとCPCの変化率

 このような条件が整うとき、検索広告で掲載順位1位のほうが他の順位よりもコスト効率がよくなる。それを 「Rank 1st theory」と呼び理論化した。当時のFromAのような広告主の場合、「first mover advantage」を活用して積極的にトップ掲載をすることで、CPAを安く抑えつつ、CV数を増加させ、結果的に、売上上昇、利益率のアップにつながることになる。

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情報の循環構造を構築する「GDN circulation」

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この記事の著者

ヴァイオレット・エヴァーインディゴ(ヴァイオレット・エヴァーインディゴ)

1990年代に米国西海岸に留学し、シリコンバレーで就職。1998年のGoogle誕生に衝撃を受け、ネット広告・デジタルマーケティング領域に職域を転換。2000年代初めに帰国。米国大手IT企業・プラットフォーマーを6社経験。デジタルマーケティングのコンサルティングを生業とする。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/07/22 08:00 https://markezine.jp/article/detail/46193

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