「Rank 1st theory」理論を分解
ここで、コスト優位性を担保するためには、CVRとCPCの変化率を確認するのが重要になる。じつは、これが、コスト観点では、最重要な条件だ。掲載順位が上昇すると当然、クリック課金額(CPC)も徐々に上昇する。重要なのは、このCPCの上昇率(変化率)がCVRの上昇率(変化率)よりも大きいか小さいかである。

先ほど記載した1から5までの条件が整う場合、条件6(結果的に「CVR変化率>CPC変化率」になっている)が付いてくる、というのが私の経験だ。たとえば、3位から2位、そして、1位に掲載順位があがっていくとき、CPCは3位で50円、2位で57円、1位で62円など、CVRの変化率に比較すると、緩やかに上昇していく。
一方で、掲載順位が2位から1位になったとき、「first mover advantage」がうまく機能するケースでは、2位のCVRが1%で、1位になるといきなりCVRが3%になったりする。つまり、CVRが3倍になるということだ。
このように「first mover advantage」が効く状態では、CVRの変化率のほうが大きくなりやすいので、獲得単価CPAも安くなる。なぜなら、CPAの計算式は、分母がCVRで、分子がCPCで構成されるからだ。

このような条件が整うとき、検索広告で掲載順位1位のほうが他の順位よりもコスト効率がよくなる。それを 「Rank 1st theory」と呼び理論化した。当時のFromAのような広告主の場合、「first mover advantage」を活用して積極的にトップ掲載をすることで、CPAを安く抑えつつ、CV数を増加させ、結果的に、売上上昇、利益率のアップにつながることになる。