リソースが足りない!中小BtoB企業の悩み
トライコーンは、セプテーニ・データ・ソリューションズ傘下で、SaaS事業とソリューション事業を手掛ける企業だ。SaaS事業ではCRMプラットフォーム「クライゼル」などを提供。ソリューション事業では、Webサイトのフォームやマイページの制作、クライゼルのAPIを使ったシステム開発などを手掛ける。またサイボウズのオフィシャルパートナーとして「kintone」の導入支援なども行っている。
従業員は約60名、マーケティング担当者は服部氏を含めて2人だ。
同社のマーケティングにはいくつか課題があった。まず、「営業への問い合わせ数が足りない」こと。プル型の営業スタイルであるため、問い合わせがないと営業も始まらない。そのため、会社としてマーケティングの重要性を再認識し、経営主導でマーケティングの強化に踏み切った。
しかし、マーケティング担当者が退職したため、「人が足りない」という問題が生まれた。そのため、2021年に中途社員を採用。その際に重視したのは、制作ができることと、論理的な考え方ができることだったという。「我々のような中小企業でマーケティングをスピードアップさせ、実行力を高めるためには非常に重要なポイントでした」と服部氏は振り返る。
地道な活動で営業問い合わせを約2倍に
また「予算が足りない」ことも大きな課題だった。多額のマーケティング予算を確保して、広告を出すことは難しい。そのため、同社ではまずコンテンツマーケティングに注力することにした。スキルや知識の習得には、様々な企業が開催している無料ウェビナーを活用。フォローアップ商談の際には積極的に質問し、様々なことを教えてもらったという。その知識をもとに、マーケティング担当者2人でできそうなことは自社でやり、社内での対応が難しいことはグループ企業や外部の会社などに外注することにした。
そういった地道な活動を続けたところ、2021年は月間で約100件だった営業への問い合わせ数が、2024年には約200件に増加。また、SaaSの受注件数におけるマーケティング起因の割合は、27%から57%に増加した。