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大丸東京店が実践した、来店促進につながる「コミュニティ」戦略とは?

大丸東京店が実践した「コミュニティ」活用

 ここで、新山氏は大丸東京店が運営するコミュニティ「World Wine Now!」の事例を紹介した。

 「World Wine Now!」は、大丸東京店が主催する日本最大級のワインイベント「世界の酒とチーズフェスティバル」に関連したコミュニティとして2年前からスタートした。

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 「コミュニティ内の情報は大きく3つのカテゴリーに分かれています。1つ目は業界の内輪話、2つ目は自由にコミュニケーションが取れる場所、3つ目は『世界の酒とチーズフェスティバル』の最新情報を入手できる場所です。イベントがない期間にもワインの情報に触れられるよう、ワイナリーや原産地の情報を提供していますし、コミュニティ内でオフ会イベントも開催しています。年2回しかないフェスという顧客接点以外に、今では2週間に1回という頻度で接点を持つことを実現していますし、コミュニケーションの双方向性も担保されています」(新山氏)

大丸東京店が「コミュニティ」運営を始めた理由

 「世界の酒とチーズフェスティバル」は1975年に始まり、2024年4月に103回を迎えた歴史の深いイベントとなっているが、課題も抱えていた。

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 1つは、年2回のイベント以外の顧客とのタッチポイントが薄かったことだ。それまでもイベント以外の接点として、イベント集客のためのプッシュ型の広告配信やアプリ掲載、ワインのオンライン販売などの取り組みを行っていた。しかし、定期的なコミュニケーションという意味では、リアルな場しかなかった。

 もう1つは、顧客の高齢化だ。1975年から始まったイベントのため、徐々に顧客の年齢が全体的に上がっていく。リアルな接点しかないことで新規顧客獲得の難しさも感じており、この先イベントを盛り上げていくためには20~30代の参加が不可欠だと考えていた。ここにコミュニティを導入しようと考えた背景を新山氏は次のように説明する。

 「元々ワイン好きな方たちにとって、コミュニティ活動は身近な存在でした。また、若年層とオンラインコミュニケーションの親和性も高いことに着目しました。これらをうまく組み合わせることで、年2回しかなかった顧客接点を恒常的にし、日常的にワインに触れてもらうきっかけを作れると考え、コミュニティの取り組みを始めました」(新山氏)

少ない運営工数で「コミュニティ」を盛り上げることに成功

 運営体制としては、コミュニティ内の投稿や読み物コンテンツ作成、オフラインイベントの企画運営を大丸が担当し、コミュニティ戦略立案やファンのアクションに関するアドバイス、細かい運用サポートをコミューンが支援した形だ。

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 大丸側でコミュニティ運営に携わっているのは、大丸東京店全体の販促業務の管轄者と、催事企画やワインショップのソムリエの2名。コミュニティ専任のリソースを配置しているわけではなく、他業務をメインにしながら円滑なコミュニティの運営を実現しているのだ。

 現在はさらに、コミュニティに所属するメンバーがイベントレポートを書くなど、運営側の工数を増やすことなく、イベントや商品・サービスに対するユーザー生成コンテンツ(UGC)が自然に生まれる状態になっているという。

 「コミュニティを盛り上げるためには、コミュニケーションの起点となる情報発信コンテンツが欠かせません。また、新規登録者に丁寧にウェルカムコメントをしたり、DMを送ったりするなど、工数を一定かけなければならない部分があります。そこの運用サポートを弊社でさせていただいたので、1人あたりの工数を分散させながら進められたという点で評価をいただいております」(新山氏)

次のページ
顧客の「熱量」を実感でき、関係性の構築も実現

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:コミューン株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/11/15 13:54 https://markezine.jp/article/detail/46964

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