※本記事は、2024年12月刊行の『MarkeZine』(雑誌)108号に掲載したものです
【特集】2025年・広告の出し先
─ 【広告業界予測 2025年】激変する業界地図の中で勝ち残るために
─ 進化が著しいリテールメディア領域、今後は「デジタル広告 with リテールデータ」がトレンドに?
─ 「Plan」と「Check」の高度化が進むテレビ広告 露出量だけではない価値にも目を向けよ
─ DOOHは「屋外のデジタル広告」になる。5%の壁を突破する、プランニング&効果検証の進化(本記事)
─ 【縦型ショート動画、AI活用がトレンド】分散・多様化するソーシャルメディア
─ 学生を中心に拡大中の「BeReal」、マーケティング観点からの媒体解説
─ 面や枠を越えた表現が可能、バーチャル空間の使い方
DOOH市場の急成長と5%の壁
──まず近年のDOOH市場の動向について教えてください。
日本のDOOH市場は順調に成長しており、2023年には801億円規模に到達しています。2027年には1,390億円まで到達すると予測されており、今後も拡大していく見込みです(デジタルサイネージ広告市場調査【CARTA HOLDINGS】)。
これまでは交通媒体、電車内のサイネージやタクシー広告がDOOH市場の成長をけん引してきましたが、今後はインストアや屋外サイネージなどが新たな広告の出し先として伸びていくのではないでしょうか。
![株式会社LIVEBOARD インサイト部 マーケティングマネージャー 真能広大(まのう・ひろたか)氏 電通入社後、中部支社にて9年間、プロモーション/マーケティング領域のプランニングを経験したのち、アウトオブ・ホーム・メディア局に入局。LIVEBOARDのマーケティング/セールス戦略立案の他、「ヒト」を基点としたDOOHプランニング/効果検証の高度化に従事。現在は、LIVEBOARDインサイト部に出向。](https://mz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/47594/47594_01.jpg)
電通入社後、中部支社にて9年間、プロモーション/マーケティング領域のプランニングを経験したのち、アウトオブ・ホーム・メディア局に入局。LIVEBOARDのマーケティング/セールス戦略立案の他、「ヒト」を基点としたDOOHプランニング/効果検証の高度化に従事。現在は、LIVEBOARDインサイト部に出向。
その中で、2024年6月に香港で開催されたグローバルOOH団体であるWOO(World Out of Home Organization)のカンファレンスにおいて、OOH業界の課題として「5%の壁」が挙げられました。これはテレビやデジタル広告を含む、世の中にある全広告メニューの中でOOHの広告比率が約5%にとどまっていて、なかなか壁が突破できないことを指しています。
DOOHには、この5%の壁を突破できるのではないか、という期待が持たれています。というのも、ある程度広告の効果が「見える化」できないと、プランニングの俎上には載ってきません。ですがトラディショナルなOOHがまだ主流となっており、広告主にとってOOHが「効果を可視化できる」というイメージがないのです。
しかし、当社をはじめデータを活用し、ターゲティングや効果検証を可能にするDOOHも存在します。そうしたDOOHがスタンダードになって、活用の幅が広がることが期待されています。