嘘をつかず真摯に自分たちの価値観を伝える
――投稿に対する反響をどう捉えていますか。
もちろんサービスに対する改善要望やインシデントがあった際には、厳しいご意見を頂戴することもありますが、それも一つひとつ事業の糧になっています。
好きの反対は嫌いではなくて無関心だと考えています。我々に興味を持っていただいていると前向きに捉えています。自分たちがどのような会社かを伝えていくことで、「自分には合わない」と思う方も当然いらっしゃると思います。しかし、嘘をつかずに自分たちの価値観を伝えることを意識しています。
SNSをなぜやるのか、発信したい理由を考える
――最後に、SNS活用のヒントを教えてください。
ビジネスの観点で言えばSNSを活用せずとも、商品やサービスが売れればいいし、お客様に価値が届けばいい。だからこそ、なぜSNSをやりたいのかを考えることが大切です。なぜ必要で、得たい果実は何か、それを通じて1年後にどうありたいかや、社内に対してどのような影響を与えたいかを考えておくことです。当社の場合は、SNSでの情報発信を通して他社の方や初対面の方も、ある程度、我々について知ってもらえる状況を作っています。認知向上の狙いもありますし、事前に共通認識を持つことでコミュニケーションコストを下げられるため、採用面でもポジティブな効果があると考えています。
もう一つ、SNSでポジティブな成果を得るためには、やはり自分でSNSをやってみることです。運用代行もありますが、リアルタイムで反応を見ることが勉強になります。
ただし、SNSはあくまで一つの手段です。そもそもSNSが会社として大切にしている価値観に沿っているものかを見極める必要もあると考えています。
ここに注目!LayerX流SNS活用のポイント
LayerXさんのSNS活用の特徴は、運用ルールではなく「行動指針」に基づいている点です。会社のありたい姿や、それに紐づく行動指針が明文化されているからこそ「SNS専用のルール」を作らずとも、社員の皆さんが自発的に発信する文化が根付いています。
もちろん、組織の規模や文化、企業として目指す方向によって、最適なSNS活用の形は異なります。それでも、SNS活用が難しいと言われているBtoB商材において、自社が掲げるビジョンやバリューとSNSでの発信内容が結びつくように運用することは、効果的な手法の一つだと考えられます。
SNS活用を検討している、あるいは強化しようと考えている企業様は、まずはSNSを活用することが企業としての「ありたい姿」の実現につながるのかを、整理するところから始めてはいかがでしょうか。