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ホットリンクが探る、SNS活用企業の成功の秘訣

「SNS利用のルール」ではなく「会社の行動指針」がベース、LayerXがSNSを全社活用できる理由

「SNS活用のルール」ではなく、「行動指針」を守る

――社員の方のアカウント名やプロフィールに社名が入っていることが多いので、アカウント作りのルールがあり、レギュレーションに沿った運用をされている印象があります。

 これはよく聞かれますね。当社では現在、SNS運用に関するルールを設けていません。アカウント名に企業名を入れるのも、会社からやってほしいと伝えていません。それぞれの従業員がSNS活用の必要性を感じて、発信したい思いがあるから自発的にアカウントを作って発信しています。

 しかし、私たちは行動指針=行動する上でのOSと定義し、5つの行動指針を定めています。その中で「『徳』ーーー長期的な視点で社会の発展に寄与する存在であり続けるために、仲間や社会から信頼を得られる行動を追求する」というものがあります。SNSであっても社会から信頼が得られない投稿は、行動指針に反します。

LayerXの行動指針
LayerXの行動指針(「LayerX羅針盤_ver 3.0」より)

――SNS活用にあたってはまず行動指針を意識してほしい、というお考えですね。今後もその方針は変わらないのでしょうか?

 私が組織運営上で大事にしていることは、一人ひとりが考えて行動することです。広報やSNSマーケティングというより人事の視点ですが、自分で考えて行動することがビジネスパーソンとしての力になります。とはいえ、LayerXは現在約380名の組織になっており、従業員の実践に任せて組織運営できる人数を超えつつあると認識しています。今後は規模拡大にともない、ガイドラインを設ける可能性はあります。

――ちなみに、事前に内容や投稿タイミングを相談する方もいらっしゃるのでしょうか?

 個人名でnoteを出す場合は、社内のコミュニケーション部門でレビューするようにしています。特に技術的な内容は、技術のチームでエンジニアに目を通してもらい、お客様のことやロゴの出し方などについては社のガイドラインに則って確認しています。また、製品のリリースとCEOのブログでの発信が被るともったいないので、タイミングや内容などの交通整理はコミュニケーション部門が担っています。

「やらされる」ではなく、「やりたい」が継続につながる

――noteのお話が出ましたが、こちらでは投稿本数などのルールはありますか?

 継続的にお客様たちと接点などを持つためにメディアを使うとなると、月次の公開本数などを定めたほうが発信や管理がしやすいとは思います。しかし具体的な投稿本数のKPIはありません。ただし、記事の発信タイミングを意識しています。ビジネス系のレポートは、インプットに役立つように平日朝(8時半から9時頃)、キャリア系の記事はオフの時に次のキャリアを考えるきっかけにしていただくために金曜の午後や土曜朝に出すなどですね。

 また、投稿を続けやすくするためにテクノロジーも活用しています。たとえば、noteの見出し画像は、デザイナーが作ったテンプレートを基に、名前を入れると自動生成されるようになっています。記事校正にはLLM(大規模言語モデル)を使っています。

――情報発信の継続を重視されていますが、続けるためのコツはありますか?

 先ほどの「社員に強制しない」という話にもつながりますが、SNSについては、誰かにやらされるものでも、止められるものでもないと思います。大前提として自身が楽しめて、勉強になることが大切です。私自身もSNSで新しい発見をしたり、自分が頑張ったことを知っていただけたり、新しい仲間が増えたり、誰かとのつながりができたりすることがモチベーションです。

 仕事だと思ってやるSNSと、「あれ知りたいな」「これ誰かに知ってほしいな」と能動的にやるSNSだと、どちらが居心地よく自然な状態でいられるか? を考えると後者ですし、そのほうが長く続くはずです。もちろん短期間で注目を集めたいとか、リードを獲得したいといった、ROIやCPAを意識しながらSNSを運用するマーケティング的な手法をとる企業もあるかとは思います。

 しかし、お伝えした通り、我々は中長期的に社会に貢献できる存在であろうという価値観を大切にしています。そもそも長く続けるために必要なのは、無理をしないことです。もちろんたくさんの人に投稿を読まれたら嬉しいですが、どれだけ長く続けられるかという視点を大切にしています。


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株式会社ホットリンクは、データ分析とUGC(ユーザーによるクチコミ)創出に強みをもつSNSマーケティング支援会社です。戦略設計から効果測定まで一貫したサポートを行い、クライアントの売上向上や認知拡大を図ります

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

佐々木 もも(ササキ モモ)

 早稲田大学卒業後、全国紙で約8年記者を経験。地方支局で警察や行政を取材し、経済部では観光や流通業界などを担当した。現在は企業のオウンドメディアの記事企画や広報に携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/02/12 09:00 https://markezine.jp/article/detail/47965

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