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成果につながるリサーチ

5ヵ月で売上が計画比の約130%!ファンケルが新商品開発に向けて取り組んだ、10回の消費者調査の裏側

発売後5ヵ月の売上が計画比の約130%に!

━━発売開始から5ヵ月近く経過しましたが、どのような成果が出ているのか教えてください。

 発売後5ヵ月での売上は計画比の約130%となり、3ヵ月の売上目標を1ヵ月で達成するほどでした。また、カロリミットシリーズの売り上げも前年同期比で約135%と好調です。「今までカロリミットを利用したことがない方々」や「以前は愛用していたものの今では利用を控えてしまった方」など、多くの方々から興味をもっていただけており、一番の需要期である年末年始を越えた後でも、好調に売上を伸ばすことができています。

━━実際に利用者からの反応はどのようなものが見られましたか。

 「飲み始めてからお通じが良くなった」など、製品効果を実感する声を多くいただいています。

 また、一般的にプレミアム製品は、高級感があり、手が届きにくい印象を与えるパッケージになっていることが多いと思います。しかしプレミアムカロリミットでは、先述した「おいしく食事を楽しむ、明るくHappyな世界観」を大事にしつつ、プレミアム感が伝わるデザインにこだわったことで、「親しみやすいデザインで手に取りやすい」や「上品さはあるもののかわいらしい」「使っている時に気分が上がる」など好意的な声を多くいただいています。

 他にも、新パッケージになってから「各商品の差異がわかりやすくなった」というお声も多くいただいていることから、無事ブランドが抱えていた課題も解決できたと言えるでしょう。

商品ごとのキーメッセージを変え、各商品の特徴をわかりやすくした

 このようにパッケージ面でも商品の特徴がわかりやすく伝わるようになったことで、多くの方から好感を得られるように。こうして日々使用する上でのハードルが大幅に下がったことが、一般的なサプリメントの抱える「継続的に利用されない」という課題解消にも寄与しています。これにより、さらに効果を実感してもらいやすくなるため、商品の満足度が上がるという良い循環を生み出せていると感じています。

定量と定性を上手く使い分けるには?

━━今回の調査では、定量と定性を何度も往復して調査を行われているのが非常に印象的です。これらの調査を行う上で意識されていた点は何かありますか。

 定量調査と定性調査のそれぞれがもつ特徴をしっかりと理解した上で使い分けることが大切だと考えています。たとえば、リサーチを行う上で犯しがちなミスとして、「定量調査のみで判断を進めてしまうこと」が挙げられます。定量調査は事実を捉えることには長けていますが、数字だけでは消費者心理までを真に捉えることは決してできません。

 そのため、何かの判断を行う時や周囲からの納得感を得たい時には定量調査お客様による消費行動の背景や文脈などを知りたい時には定性調査を行うといった具合に、必ず両方を掛け合わせながらリサーチを進めるようにしています。

 また、「現状の把握」と「調査の目的設定」も調査を行う上では非常に重要であると言えるでしょう。調査を行う場合、外部の事業者と協力することも多いと思いますが、その調査の質が目的の有無で大きく変わるためです。

 逆に、事前にブランドが抱えている課題や調査の目的、さらに調査を通して最終的にブランドが目指していることまで共有できていれば、外部の事業者の方も同じチームの一員として最大のパフォーマンスを出してくれるようになるでしょう。むしろ、外部リサーチャーのほうが業界を横断してリサーチを行っており、知見が豊富であることも多いと考えています。そういった彼らの能力を最大限に引き出す環境を構築することが、調査の質を上げるためにも重要な要素だと思いますね。

━━最後に、今後の展望について教えてください。

 コロナ禍を経て、ライフスタイルが大きく変化しました。これにともない、お客様の健康への意識もこれまででは予想ができなかった形で変わってきています。だからこそ、リサーチを通してこの変化の兆しをいち早く捉え、変化を先回りして新たな市場を作り上げていきたいと思っています。

 これは、カロリミットブランドに関しても同様です。プレミアムカロリミットを発売したことで、同ブランドでは3種類のラインアップを抱えることになりましたが、これで十分なアクションだとは思っていません。急速にお客様の価値観と行動様式が変化しているからこそ、カロリミットがもつ「食を楽しむ」というコアの価値は大切にしながら、ブランド自体を今後さらに進化させていきたいですね。

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この記事の著者

土屋 典正(編集部)(ツチヤ ノリマサ)

法政大学法学部を卒業。MarkeZine編集部に所属。

 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/03/12 08:00 https://markezine.jp/article/detail/48155

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