リアルタイムで会話できる「対話型AIバーチャルヒューマン」
MZ:2024年11月には、「対話型AIバーチャルヒューマンα版」が公開されました。対話型AIバーチャルヒューマンとは、どのようなものなのでしょうか。
守屋:ブラウザやモニターデバイスを通して話しかけると、画面内のバーチャルヒューマンが人の声を認識し、自分で考えた内容で返答してくれるというものです。言語切り替えも自動でできますので、日本語で話しかければ日本語で、中国語で話しかければ中国語で返答します。
MZ:どんな場面での活用ケースが期待できるでしょう。
守屋:展示会での営業マンの代わりになったり、医療現場で患者さんのおしゃべり相手になったり、社外取締役になったり……、当社が想定していなかったような活用方法も含めて、既に様々なご相談をいただいています。
MZ:人手不足の現場はもちろん、どんな企業でも活用余地がありそうですね。2025年1月には、「対話型AIエージェントライトパッケージ」もリリースされました。こちらの特徴についてもご紹介いただけますでしょうか。
守屋:ニーズの高まりを受けて、簡単かつ低コストに、まずは導入してもらうためのプランです。136種類の顔のタイプから、活用したいバーチャルヒューマン1体を選んでいただき、RAG(検索拡張生成)などを活用し、その会社に合わせた回答に調整し、そのまま導入いただけます。まずは実際に使ってみて、「もっとこうしたい」という部分が挙がってくれば、オリジナルでのバーチャルヒューマン制作をお薦めしています。
バーチャルヒューマンが日常化する未来を目指して
MZ:2024年6月には、NVIDIAとの技術提携を発表されていました。NVIDIAから声がかかった理由はどんなところにあるでしょうか。
守屋:NVIDIAは近い将来の予測として、大企業がAIを活用して人的資本の能力を拡大することや、日常業務においてAIが意思決定する機会が増加することを発表しています。間違いなく増えるバーチャルヒューマンの需要に対して、業界で最も活躍しているAwwと提携したいと、二度ラブコールをいただきました。一度目はimmaをはじめとした自社IPの強化に注力しているタイミングだったためお断りしたものの、今回改めてお声がけいただき、提携する運びとなりました。
MZ:提携によって広がる展開についても楽しみです。最後に、Awwとしての今後の展望を教えてください。
守屋:将来の目標は二つあります。一つは、バーチャルヒューマンからスターを生み出すこと。バーチャルヒューマンから歌手、女優、モデルなど、世界に通用するスターを増やすことにトライしていきたいと考えています。
もう一つは、企業の意思決定タイミングにバーチャルヒューマンが同席したり、日常的にアシスタントとして業務をサポートしたりといった機会を、当たり前にしていくこと。「バーチャルヒューマンが日常化する未来」を創っていくのが、これからの私たちの使命と言えるでしょう。