販売チャネルの課題を解決する、Channel & Engagement レイヤー
GTMモデルの構築目的は大きく「自社の計画と価値」と「市場および顧客(企業)」の解像度を上げることに大別されます。この連載の第2回と第3回で解説した「Market & Accountレイヤー」と「Buyer & Valueレイヤー」が「市場および顧客(企業)」の解像度を上げることを主目的としたレイヤーである一方、「Channel & Engagementレイヤー」の主目的は「自社の計画、価値」の解像度を上げ、社内および販売パートナーに浸透させることにあります。
DMIでは、「Channel & Engagementレイヤー」の構成要素として下記の4つを上げていますので、項目ごとに簡単に解説していきます。
Route to Market
顧客に商品・サービスを提供するにあたって関与する社内外の流通経路を分類し、売り上げ目標に必要な「チャネル」「リソース」を算出。限られたリソースをどのチャネルに優先的に投入すべきかを検討し、目標を達成するために必要な「チャネル」「リソース」の解像度と実現度を上げる。
Channel and Sales Enablement
顧客接点(チャネル)の動機づけや人材のトレーニング体制の設計・最適化を行う。
顧客接点を担当するには、商品・サービスについての深い理解や、様々な専門知識・スキルの強化、そして動機づけを行い、目標達成に必要な対象企業群に対しての「Coverage(網羅率)」と「Frequency(接触頻度)」の実現を図るために必要なセールス、チャネルイネーブルメントの設計と実行を行う。Market & Accountレイヤーで定義された市場をカバーする上で、必要な「Route To Market」を設計し、教育や商談支援、動機付けなどのイネーブルメントを実行する。
Campaign design
GTMを実行に移すためのマーケティング・キャンペーンを立案・計画する。MQL/SAL/SQLなどのファネルのステージ設定や、リードマネジメントフローなどの各種プロセス設計や定義を行ったうえで、目標を達成するために必要なマーケティング施策・チャネル施策などの複合的なキャンペーンの計画実行をし、年間でのキャンペーンプランだけでなく、四半期ベースで振り返るキャンペーン・レビュー・プロセスを整備し、必要な修正を加える。
Metrics and Reporting
GTMの目的達成の状況を計測・評価する仕組みを設計する。
GTMの目的達成の度合いは計測可能な指標で測定されなくてはならない。様々な指標が存在するが、その中でも最も重要な指標をGTMのKPI(Key Performance Indicator)として少数採用する。各キャンペーン・各施策の成果指標や、市場投入による変化(市場シェアや売上・利益額など)がGTMのKPIとして採用される。指標策定はSMARTの原則に則って策定される必要があると同時に上位のKGI(Key Goal Indicator)は経営目標と関連性が必要となる。
