「何社・何人」の共通認識がなければ、「正しいゴール」は設計できない
ターゲット、顧客価値、販売チャネルが決まれば、そのチャネルに対し、いかにして必要な支援を提供するか、という問題にようやく取り掛かることができます。
ここで冒頭に書いた「何社・何人の社内での共通認識」が必要になります。
名寄せができておらずターゲット企業の社数が不明な場合や、営業部門と何社・何人の実数を共有できていなければ、お互いの前提条件が異なってしまい、プランニングも社内の協業もうまく行きません。
自社のMAやCRMから、ターゲット企業のコンタクトリストが「何社・何人」あるかを集計し、領域ごとに図示し、共通認識を作りましょう。
たとえば下記のように数字をベースとした情報を基に、RTMが策定できるようになります。
Marketing Campaignのゴール設計は、以下のように販売チャネルの課題に応じて大きく変わってきます。
- 自社の営業部隊が持つ訪問先として、対象企業の顧客数が十分でなければ、マーケティングによる大企業向けイベントへの参加やターゲティング広告により、コンタクトリストを生成する
- 販売代理店の動機付けが不足していれば、対象顧客向けの共同セミナーを企画する
- コンタクトリストは十分でも自社の営業リソースが不足する場合は、インサイドセールスによる顧客ヒアリングを実施
- 営業による招待制の「リレーション構築の小規模イベント」
実際には「地域/業種/既存取引の有無」といった、さらに精緻なセグメンテーションが行われ、そのセグメンテーションを基にキャンペーンが計画・実行されます。
一方、「共通理解としての何社・何人」がない企業では、以下のような問題が起きます。
- CRM/MAに営業部門がアプローチできるリストが少ないにも関わらず、「営業集客主体のプライベートイベント」を開催し、集客に苦戦する
- 販売店依存でセミナー集客を実施するが、動機付けや販売店の集客力不足で空席が目立ち「売れない商材」と言われてしまう
- 営業キャパシティを越えたリード送客を行い、放置案件や失注を増やしてしまう
しかし、これらは「何社・何人の共通認識」を基にしたRTMの解像度不足・設計不足が原因にも関わらず、「製品力」や「マーケティングのリードの質」に起因するという間違った認識が生まれてしまうのです。
「何社・何人の共通認識」明確な企業は、営業部門における課題感も共通かつ明確になります。そのため、マーケティングがその課題解決を支援する施策やゴールも共通認識として理解されやすくなります。

マーケティングと営業部門とのアラインメントは「何社・何人」の共有の有無が大きく影響していると言えるでしょう。
