PRIZMAは、SNS広告で購入経験がある全国のZ世代(15〜27歳)、Y世代(28〜42歳)、X世代(43〜58歳)を対象に、「2025年最新版 SNS広告の購買行動調査」を実施した。
昨年調査と比較した結果の概要は以下の通り。
- SNSの利用傾向は、Instagramは依然高水準(61.2%→61.16%)、TikTokはZ世代でやや減少傾向となった(33.9%→33.97%)。
- コンテンツの主役は引き続き「インフルエンサーや有名人の投稿(53.0%→51.7%)」、Z世代ではファッション・美容(35.4%→47.3%)と、トレンド関心が上昇した。
- 「つい見てしまう広告の形式は何ですか」と質問したところ、全体的に「動画広告」の強さは維持された。一方、Z世代での視聴率が58.9%から50.2%とやや減少した。
- 「漫画広告」人気はY世代で上昇(39.1%→39.1%)、Z世代ではやや伸び悩む結果となった。
その他、購買行動に関係する調査結果を紹介する。
購買につながる広告形式は「動画広告」が2年連続トップに
SNS広告が購買行動にどう影響しているか、その具体的な広告形式の効果を2年比較で見た。
「SNS広告経由で商品購入する場合、どの広告形式からの購入が多いですか?」と尋ねたところ、2025年・2024年ともに「動画広告(2025年:52.5%→2024年:55.9%)」が最多となり、次いで「ストーリー形式の広告(32.9%→26.2%)」「漫画広告(23.4%→24.4%)」「ショッピング広告(24.6%→27.6%)」「静止画広告(17.1%→14.6%)」と続いた。


上位に挙げられた項目のうち、「動画広告」は依然として安定した効果を示しており、「見てすぐ理解できる」訴求力が購買に直結する形式として定着していることがわかる。
注目すべきは、「ストーリー形式」が前年から6ポイント以上上昇しており、物語性や“続きが気になる”構造の広告が購買導線として機能し始めている点だ。
一方で「ショッピング広告」は微減。「漫画広告」はほぼ横ばいにとどまった。
Z世代では「ストーリー形式(30.1%→32.7%)」がやや増加した一方、「漫画広告(31.6%→22.4%)」が減少。短編的で感情に訴える広告が引き続き一定の評価を受ける中でも、"読む"行為そのものへのハードル感が影響を与えている可能性がある。
SNS広告による“新たな需要喚起”は約7割が経験
商品購入の意図についても調査した。「購入した商品はSNS広告で見る前から買う予定はありましたか?」と質問したところ、広告に接触する前から購入予定がなかった層は前年・今年ともに約7割で、SNS広告が“新たな購買行動のきっかけ”として機能していることが明確に示されている。


特に、Z世代の「買う予定はなかった(23.4%→21.0%)」は微減しており、事前興味層の比率が上昇。
商品に関心はあるが検討段階だった層を、広告が後押ししている様子がうかがえる。
X世代では「購入予定はなかった(33.3%→29.8%)」が微減、代わりに「商品に興味はあった(51.7%→43.9%)」が減少しており、購入の決め手として広告がより強く作用している構図が浮かび上がる。
印象に残る広告は「商品そのものの魅力」と「世界観」の融合
最後に、2025年度の新たな設問として「最近“いいな”と思ったSNS広告で、印象に残っている点は何ですか」と質問したところ、最も多かったのは「商品そのものの魅力(48.3%)」で、Z世代からX世代まで高い割合を記録した。
次いで「デザインや世界観(26.4%)」「映像や音楽の印象(24.8%)」「口コミや実体験(19.7%)」など、感覚的な要素と実感の両立が支持されていることがわかる。

一方、「インフルエンサー登場(15.0%)」「ストーリー性への共感(12.6%)」といった演出面は限定的で、「商品+伝え方」のバランスが問われている様子がうかがえる。
この傾向から、広告で伝えるべきは「感動」よりも「納得と関心」。過剰演出ではなく、商品の本質的価値を魅力的に届けることが、最も信頼されるコミュニケーションになっているといえそうだ。
【調査概要】
調査テーマ:2025年最新版 SNS広告の購買行動調査
調査期間:2025年5月15日(木)~16日(金)
調査方法:PRIZMAが提供する調査PR「PRIZMA」によるインターネット調査
調査対象:SNS広告で購入経験がある全国のZ世代(15〜27歳)、Y世代(28〜42歳)、X世代(43〜58歳)の方
調査人数:621名(各世代約200名ずつ)
モニター提供元:PRIZMAリサーチ
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