継続の中で生まれた工夫とは
平地:「THE国立DAY」を継続していく中で生まれた新たな施策・アイデアはありましたか。
竹渕:国立競技場をどう最大限に活用するか、という点は継続する中で特に意識しました。直近は、アーティストのライブイベントを導入し、夜の国立競技場をどう演出するか、という点に力を入れました。リーグとクラブが連携し、スタジアム内の演出からステージ、アーティストの選定まで共同で行っています。
2024年に実施したFC東京対アルビレックス新潟の試合で行われた木村カエラさんのライブは好評で、昨年のリーグ戦の最多動員数を記録しました。
また、IP(知的財産)とのコラボレーションも積極的に行っています。アーティストだけでなくIPにとっても、国立競技場という約5万人もの観客が集まる会場でアクティベーションができることは非常に大きな魅力です。Jリーグにとっても、IPのファンというサッカーとは一見遠い層の来場を見込むことができます。

鈴木:単なるロイヤリティの貸し借りという関係ではなく、お互いの利益のために力を貸し合うという Win-Win の関係性が生まれています。
平地:国立=聖地というのが、サッカーだけでなくあらゆる領域で起こりつつあるのですね。
竹渕:実績が出てきたことで、みんなが「より良いものを作ろう」という意識で取り組むようになっています。それが競技力の向上にも、Jリーグ全体の活性化にもつながっていると感じています。アンケート結果からも、来場者の満足度が高いことが明らかであり、クラブも前向きに投資を行い、好循環が生まれています。
サッカーとエンタメの融合を加速する
平地:最後に、今後の「THE国立DAY」の展望についてお聞かせください。どのような方向に向かっていくのでしょうか。
鈴木:サッカーの試合そのものがJリーグの根幹であり、最も大切にすべきものです。しかし、音楽やアニメなど様々なエンターテインメントの力を借りながら、両方を高いレベルで融合させ、表現させていくことが、国立競技場場所では重要だと考えています。今後も競技面とエンターテインメント両方のクオリティを高めた試合を、THE国立DAYを通じて実現したいです。
2026年以降もTHE国立DAYを強化していく方針です。「こんなの見たことない」と言われるような体験をシーズン中にお届けし、新しいJリーグの姿を国立を起点として打ち出していく、そんな未来を創っていきたいと考えています。さらにアクセルを踏み込み、常に期待値を超えていくような取り組みを続けていきたいと考えております。