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MarkeZine Day 2025 Retail

「長期的な利益」につながる売上を見極める。西口一希氏が説く「良い売上」の最大化と「悪い売上」の最小化

ビジネスが存続する条件は、継続顧客を増やすこと

 継続的に購入してくれる顧客こそ、経営に重要な「良い売上」=利益貢献の大きい売上をもたらす。良い売上を最大化するためには、継続顧客の維持と獲得が不可欠だ。西口氏は、その重要性を示す3つの経験則「パレートの法則/2:8の法則(売上の8割は上位2割の優良顧客がもたらす)」「1:5の法則(新規顧客の獲得コストが、既存顧客の維持コストの5倍かかる)」「5:25の法則(離反率を5%改善すると、利益が25%改善する)」を紹介した。

 「この3つの法則はすべて、継続顧客が増えること、かつその顧客を失わずに増やし続けることが重要だと訴えている」と西口氏。たとえばEC領域には、事業成長に重要な指標として、2回目購入をしてくれる顧客の割合を表す「F2転換率」という言葉があるが、継続購入の重要性はECに限った話ではない。

 どんなビジネスでも、新規顧客の獲得には大きなコストがともなう。継続的な成長のためには、新規顧客を獲得しながら、できるだけ多くの顧客に継続してもらうことが重要になる。それを表すのが次の図だ。

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 「仮に1万円の商品とすると、1回目の合計売上だけ見れば10万円です。しかし、図の4から10の顧客は1回きりで離反するので、利益の観点で見ると赤字です。本来は、図の1や2のような顧客をなるべく多く獲得し、長く継続いただくことが大事です。これはマーケティングと経営の共通テーマになりますし、AIがまだ入ってこられない領域なので、ぜひ頭に入れていただきたいです」(西口氏)

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新規商品を出し続けると利益を損なう「ミルフィーユの崩壊」

 利益に注目せず、売上ばかり追いかけると、1回や2回の購入で離反する一過性の顧客ばかりを集めることになり、結果として悪い売上を集積してしまう。さらに、もっと悪い事態を招きかねない。その例として代表的なのが、ブランドの売上を維持しようと次々と新商品を出し、やがて一気に売上が落ちてしまう「ミルフィーユの崩壊」という現象だ。

 具体的に、何が起こっているのか。最初に発売した商品の新規獲得が鈍化すると、企業は売上を補おうと次の商品を発売する。それがヒットすることもあるが、同一ブランドにおける2番目以降の商品はたいてい新規性に劣り、継続率が低く、利益率も下がっていく。

 さらにそれを補おうと、3番目、4番目の商品を発売しても、どこかのタイミングで売上が大幅に落ちてしまう。それが、ミルフィーユの崩壊だ。

 この時点で、売上高のみを見ていると、急に損失が出たように感じられる。「なぜこのような事態が起こるのかのメカニズムを知らないまま、売上が地滑りしていく状況をサポートしようとしても、さらに大きなコストをかけるしか道を見出せない」と西口氏。もし、はじめから利益と利益率を捉えていれば、ここまで商品発売を重ねる前に手だてがあった可能性に気づくはずだ。こうした事象からも、利益に注目する意義がわかるだろう。

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良い売上を重ね、悪い売上を減らすには?「価値のダブルインパクト」という考え方

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/01/14 09:00 https://markezine.jp/article/detail/50201

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