旅行に行く人・行かない人の差は、誘える友達の数の差
JTBは10月に、 業務出張、会議、結婚式、帰省などを除いて、過去3年間に「自発的に旅行した人」と「自発的に旅行していない人」、それぞれ600人にアンケート調査を行った。対象となったのは、首都圏、中京圏、近畿圏などに住む20~29 歳の独身男女。
「旅行した人」と「旅行しない人」の間で異なるものとしてクローズアップされるのが、親しい友人の有無。旅行した女性では、「自分から気軽に誘って会える友人」が「4~5人」以上いると答えた人は48.4%だが、旅行しなかった女性では25.7%と半減。また、2人で泊りがけで出かけられる友人の数を「0人」とした人の割合は、旅行しなかった男性で6割を超えている。
また、子供の頃に親や家族と旅行に行った経験が、大人になってからの旅行に与える影響は大きいようで、旅行した人では小学生時代に「1年に2回以上」旅行した人が半数近くにのぼっている。
旅行しない人は、家でDVDやネット
「泊りがけの旅行以外に価値があると思うもの」をたずねたところ、旅行した女性は、旅行しなかった女性と比べて、ショッピングや美容に対する意欲が高く、旅行した男性もスポーツや趣味などで、家の外でで楽しむ傾向が見られた。一方、旅行しなかった層では、「家でDVD、CD、ゲーム」、「家でネットやブログ」が高く、それぞれ旅行経験がある層の2 倍以上となっている。
とはいえ、旅行に興味がないかというと、そういうわけではない。「今、旅行したいか」という質問には、旅行しなかった人でも女性は7割、男性では5割近くが「旅行したい」と答えている。これらの人たちに、旅行に行くための最低条件をたずねると、男女ともに「混雑していないなら」が1位。これに、男性では「一緒に旅行したい同行者ができれば」、女性では「面白いところに連れて行ってくれるなら」が続いており、旅行に行かない人には受身な姿勢が見られた。
また、近年、節約志向が高まっているが、今回の調査では旅行に行くか行かないかは、経済的な要因によるものではなく、年収による旅行意欲の違いはほとんど見られなかった。
観光地の地名が読めない
今回の調査では、15の観光地についてその認識度、訪問経験をたずねている。
①道後 ②洞爺湖 ③恩納村 ④軽井沢 ⑤奥入瀬 ⑥指宿 ⑦和倉 ⑧志摩 ⑨富良野⑩皆生 ⑪湯布院 ⑫城崎 ⑬河口湖 ⑭定山渓 ⑮有馬 (順不同)
その結果、全体では「皆生」「定山渓」「和倉」「奥入瀬」「恩納村」などは、20代の半数以上は知られていない。75.3%が「知らない」と答えた「皆生」については「(地名は知っているが)どういう場所か知らない」の15.3%を合わせると90.6%の人が具体的なイメージを持っていないことがわかった。
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