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MarkeZine Day 2010レポート

ROIに直結するメールマーケティングの効果検証と最適化プロセスとは?


リストの疲弊化を防ぐ配信頻度コントロール

 通販サイトのマーケティング担当者によくある悩みとして、「配信頻度はどのくらいが適切か」ということが挙げられる。担当者自身、送り過ぎかもしれないことはわかっている。でもメールマガジンを送れば、一定の売上が見込めるので、できるだけ多く送りたい。しかしあまり頻繁に送り過ぎると、その効果が薄れるだけでなく、ユーザーから嫌われてしまうかもしれない不安も残る、というジレンマだ。

 これを解決するためには、配信頻度コントロールを行うことが効果的である。顧客を3つのグループに分け、それぞれのグループごとに「月1回」「月2回」「月4回」と、頻度を変えてメールを配信。数ヵ月後、それぞれの購買金額・退会者数のデータを比較検証してみるという方法だ。その結果、配信頻度が少ない方が短期的に購買金額は下がるが、その分アクティブ率が下がりにくくなることが分かる。「リストの疲弊化を防ぐことにより、長期的な売上が高くなる可能性があるのではないか」と、椎葉氏は指摘する。

クリック率低下の原因は意外なところに

 メールマガジンの効果検証を行う際、単に1回のメール内でクリック率だけの検証をしてはいないだろうか?クリック率が落ちると、短絡的にクリエイティブのせいにされがちである。だが、アクティブユーザーを抜いた上で、複数回の配信状況を検証しないと、正確な数字は出てこないということを忘れてはならない。

 一般的に、新規ユーザーのレスポンスは非常に良いが、登録からの時間の経過とともに徐々に落ちて行き、ある程度の数値で下げ止まることが多い。「メールマガジンの購読数の増加や、ユーザーの興味の移り変わりによるものなので、これは仕方がありません」と、椎葉氏は語る。

 大切なのは、アクティブなロイヤルユーザーを見極め、それらのユーザーを獲得するための最適な施策を検討することだ。そのためには、直近数回の配信での開封数をユーザーごとに集計することで、休眠会員・アクティブ会員の数・比率を知る必要がある。さらに属性情報などとのクロス集計を行うことで、アクティブ会員と休眠会員それぞれの傾向を掴むことができるだろう。

 マーケティング担当者がやるべきことは、アクティブ率が落ちない、もしくは落ちる度合いを減らすような工夫を続けることである。椎葉氏は「全体で見るだけではなく、細分化して分析をしながら、長期的なフィードバックを行うが重要。現在、アルトビジョンでは、クリックだけではなく、コンバージョンまで含めたデータを検証するシステムを開発中です」と発表し、講演を締めくくった。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&Marketing Com...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/11/11 18:17 https://markezine.jp/article/detail/12202

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