業態別ソーシャルグラフ分析
さらにソーシャルマーケティング解析の中級・上級編として、User Insightを活用したソーシャルメディアならではの解析方法を見ていく。ここをマスターすれば、自社にとってさらに有効なTwitter活用ができるだろう。
ソーシャルメディアの特性として、ソーシャルグラフを活用した『定性的な情報を得られる』ことが挙げられる。今回は「メーカー」「EC」「メディア」の3つの業態に沿った「ソーシャルグラフ分析」のポイントが紹介された。
メーカー
メーカーのサイトで重要なのは、次の2つである。
- 自社ブランドの評判調査
- 競合ブランドとの比較
これはiPadというワードをUser Insightを使って調べた結果である。「同時に発言されたワードの特徴」を見れば、「フォロワー数の少ない人の中で、欲しいと思っているけどまだ持っていない人が多いな」などといった傾向が見て取れる。
「発言者の影響力」では、発言した人の影響力(=フォロワー数)がわかるし、「男女比」・「地域の分布」も把握できる。「よく発言するユーザー」のアカウントも見ることができるので、自社製品に興味がある人をフォローしてみるのも良いかもしれない。さらに、競合製品についても同じ情報を取ることができるので、自社製品との比較データとして利用することもできるだろう。
EC
ECサイトでは、売上に結びつくような、次の2つに関する情報が重要である。
- 新規顧客の開拓
- 優良顧客への情報提供
ECサイトの場合、商品に関する情報をつぶやくことも多いだろう。
その際、「直近3日間で反応が多かった発言 TOP5」を見れば、どのつぶやきに対してフォロワー=潜在顧客が興味を示したかを見ることができ、今後のつぶやきに活かせるようになる。また、「新たに加わったフォロワー」や、どのユーザーがコンバージョンに至ったかも見られるので、どんな人を増やせば売上を増やすことができるのかを分析することもできる。
メディア
メディアサイトでは、
- コンテンツの属性調査
- ユーザーの興味分析
といったコンテンツ評価に繋げられる分析が重要となる。User Insightのユーザーであるダイヤモンド社のダイヤモンドオンラインの例が紹介された。
このヒートマップ分析を見れば、ページのどこまで見られたかがわかるのだが、さらに通常ユーザーとTwitter経由のユーザーを比較してみると、Twitter経由のユーザーの方が、ページの下までしっかりと読んでいることがわかる。これを個別のつぶやきと照らし合わすと、「どんなつぶやきに興味を持って訪問したか」「どんなつぶやきだと下まで読まれるのか」といったことも読み取れるようになる。
「ソーシャルメディア分析は、なるべく早く取り組んだ方が、アドバンテージを得られます。今回Twitterに特化してお話させていただきましたが、mixi、GREE、Facebookにも対応しているので、ソーシャルメディアの定性的なフォロワーの解析やブランド解析に興味がある方は早く解析に取り組んで成果を上げていってください」とし、渡邊氏は講演を締めくくった。