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eMetrics Marketing Optimization Summit, New York, 2011

eMetrics: Marketing Optimization Summitに参加して感じたこと


 2011年10月19日~21日に米国ニューヨークで開催されたデジタルマーケティングのイベント「eMetrics:Marketing Optimization Summit」について、4本のレポートをお届けしてきた。全体を通して感じたことをまとめて、レポートの締めくくりとしたい。

そもそもeMetricsとは?

 「Metrics」が「数値」「指標」を意味することから分かるように、eMetricsはデータ解析やアクセス解析をテーマとしたイベントだ。モバイル、ソーシャル、アトリビューション、ビッグデータと、トピックはトレンドによって変わるが、「マーケティング最適化」のために手法やツールをどう活用すべきか、どのように結果を出していくか、についての発表や議論を10年にも渡り重ねてきた。

 eMetricsを始めたのは、Web Analytics Association(WAA)の共同創始者でもあるジム・スターン氏(写真右)。米国、ヨーロッパ、オーストラリアの主要都市と、過去10年間、場所を変えて年数回開催されてきた。今回は、初のニューヨーク開催となり、「Data Driven Business Week」という傘の下で、Rising Media社が主催する6つものイベントが同じ時間と会場を共有した。いずれも『データに基づくビジネス最適化(データドリブン)』が共通のテーマだ。

広がりつつある「アナリティクス」という言葉の意味

 eMetricsはマーケティングの中でも「アクセス解析」系のイベントだが、そのフォーカスはより包括的な「アナリティクス」にシフトしてきているようだ。「アナリティクス」といっても広義のアナリティクスであり、Webアナリティクスはそのうちの一部でしかない。特にeBayの発表が印象的だった(参考記事:eBayの成長を支えるデータ解析の舞台裏)。自社で取り組んでいるアナリティクスの種類が紹介されたのだが、そこにWebアナリティクスが含まれていなかった。Webは顧客との接点としてのインターフェイスでしかないため、Webで取得したデータを誰が何のために使うのか、という観点でもっと細分化されていくのかもしれない。

 eMetricsと同時に開催されたイベントのうち、「Predictive Analytics WORLD」と「Text Analytics WORLD」の2つのイベント名に「アナリティクス」という言葉が含まれている。前者の「プレディクティブ・アナリティクス」は、従来「データマイニング」と呼ばれていた領域であり、将来を予測するという点を強調して、最近は「プレディクティブ」という名称が使われるようになってきたそうだ。同様に「テキストマイニング」を「テキスト・アナリティクス」と呼ぶのだろう。

 同じ内容を指すのに時代によって名称を変えるのはどうかと思うものの、接点の多い類似領域を集めて整合性をとるためなら、意義がないこともない。アクセス解析は過去の出来事を集計して理解するだけでなく、将来の予測による意思決定の支援にも広がっていく。データマイニングでは、Webから得られるデータも扱うことが増えている。テキストマイニングは、既にソーシャル系の解析で重要度を増しつつある。

 Webアナリティクスについては、「アクセス解析」や「ログ分析」「ウェブ分析」など、日本では用語が揺らいでいるだけでなく、狭義の定義になっている感がある。より広い視野を踏まえて、呼称をそろそろ見直した方が良いのではないか?

 「ログ」は本来システムの動作を記録するための記録データであり、当初はそのデータを訪問者の行動分析のために流用していたという歴史的な経緯があるが、現在はビーコン型が主流であり、「ログ分析」「ログ解析」と呼ぶのは限定的すぎる。また、「アクセス解析」だと、何へのアクセスを分析・解析するのかを限定できていない。となると、残る選択肢は「ウェブ解析」「ウェブ分析」だが、データマイニングやテキストマイニングまでも視野に入れるなら、より数学的な「ウェブ解析」が適しているように思える。

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この記事の著者

清水 誠(シミズ マコト)

Webアナリスト/改善リーダー。1995~2004年まで凸版印刷・Scient・RazorfishにてWebコンサルティングやIA・UI設計に従事した後、事業会社側へ転身。UX/IAやデジタルマーケティングの導入による社内プロセス改善の推進と事例化を行っている。ウェブクルーでは開発・運用プロセスを改善し上場を支援、日本アムウェイでは印刷物のデジタルワークフローとCMS・PI...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/11/06 17:19 https://markezine.jp/article/detail/14801

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