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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

アイディアをクリエイティブで実現するには?バスキュールと探る「企画の裏側」

今や広告施策に必要不可欠! みんなが集まる「場」をつくるには?


新しいエンタテインメントを体感できる「場」

 第2回目でも触れましたが、バスキュールでは「M.I.E.S.(Massive Interactive Entertainment System)」という独自サービスを使って、数々の大人数参加型リアルタイムイベントを活用したコンテンツを提供しています。参加者たちの行動によって結果が変わるという、ユーザーが関与することに明確な意味をもたらし、参加する楽しさや一緒に行動する喜び、興奮に寄り添う形で新しいエンタテインメント体験を作り出してきました。ここからはその事例をご紹介します。

興奮を共有するリアルタイムイベント

 2014年4月に実施された「PlayStation 4 online studium KILLZONE SHADOW FALL」は、「KILLZONE」という人気シューティングゲームシリーズの最新作を使ったオンラインマルチプレイ大会です。オンラインで全国大会に参加できるだけではなく、ショウアップされたスポーツ中継番組を観るような感覚で、大会の興奮を体感してもらうことを主眼に企画をスタートしました。

 PS4の機能を使って各参加プレイヤーがブロードキャストしているプレイ映像を集約し、プレイヤー参加していない人でも楽しむことができるイベントとなるように、リアルタイムに実況・解説や動的データを入れ込んだアニメーションなどと組み合わせることで番組化を行いました。試合前にはアンケート情報にもとづいた各プレイヤーの紹介と、それに対するライブな応援メッセージを配信。待ち時間も閲覧したくなる、会場にいるかのような演出を実施しました。

 また、スマートフォンで公式サイトにアクセスすると、イベントの進行とともに画面が切り替わり、開始時間のアナウンスや、ウォーゾーン名、そして入室パスワードなどを案内しました。長時間にわたる大会においてユーザーにアクションを促すナビゲーターとなることで、リアルタイムにイベントへ参加しやすい環境の提供を行ったのです。

画面の上下に情報を表示
ゲーム実況中の画面。ゲーム内容に応じて情報が表示されます。

 本イベントは予選ラウンドを含め5日間開催されました。大会期間中の合計視聴数は70万回を突破し、決勝ラウンドにいたっては延べ16万人以上がリアルタイムにを視聴するなど、非常に大きな盛り上がりを見せる結果となりました。人気プレイヤーや実況者の動員力を効果的に活用したエモーションに刺さる企画と、ユーザーの行動をナビゲートする機能の提供によって、ユーザー同士がオンライン上で繋がり、オンライン上の凄腕プレイヤーの実力を体感しながら、一緒にプレイ・観戦するという、PS4がもたらす新しいエンタテインメントを体験できる白熱したリアルタイムイベントを実現。マルチプレイやシェアすることの魅力を伝えることに成功しました。

ちなみに現場はこんな感じ
ちなみに現場はこんな感じ。ユーザーの声を常にチェックしながら展開しました。

「個人で」と、「みんなと」がもたらすシナジー効果

 映画「STAND BY ME ドラえもん」とコラボしたTOYOTAのプロモーション事例があります。こちらは、メインターゲットとなる若い女性が日常的に使用しているスマホのウェブブラウザだけで遊ぶことができる「PASSO AMIDA DRIVE」を実施しました。

 話題のCMと連動するゲーミフィケーションと、誰もが知っているあみだくじというゲームを活用したコンテンツです。気軽に誰でも参加できるフォーマットをベースに、ターゲットユーザーのアクションとコミュニケーション動線(導線?)を考慮した企画を行いました。この企画は、ユーザーが選んだPASSOのルート毎にポイントが付与されるプレゼントキャンペーンです。『どこでもドア』でワープ等、ドラえもんならではの仕掛けをふんだんに織り交ぜ、ディティールまでこだわった演出によりスマホ上での心地よさを追求しました。

 用意したコンテンツは2種類。1つは、あみだくじゲームの結果に対して本日の運勢をつけることで、毎日参加してSNSでシェアしたくなる動機をつくりだした「DAILY-まいにちアミダ-」。もう1つは、毎週木曜夜21時から事前エントリー者が一斉に参加する史上最大の同時参加型リアルタイムアミダイベント「LIVE!―みんなでアミダ―」です。後者は参加者が多ければ多いほどプレゼントがグレードアップする仕組み。ユーザーが事前エントリーの宣言をシェアをすることでファンが集まり、さらなるユーザーをつれてくる拡散に成功しました。また、個で楽しむ場とみんなで同時に楽しむ場の2つを用意することで、双方の場に参加ユーザーを誘導することができました。

 その結果、「DAILY-まいにちアミダ-」は45万人が、「LIVE!―みんなでアミダ―」は全4回の実施で延べ23万人が参加。合計で参加者は68万人にものぼりました。なお、この「LIVE!―みんなでアミダ―」は11月8日に再び登場の予定です。11月4日から「PASSO AMIDA DRIVE」にてエントリーを開始します。あわせて「DAILY-まいにちアミダ-」も登場するので、ぜひ実際に参加して体験してみてください!

大切なのはリアルタイム性

 デジタル広告の伝え方は変わって来ています。伝えたいメッセージをターゲットがいる第三者メディアに載せるのではなく、ターゲットが集まるような「場」を設計することも広告の仕事の大切な要素となっています。「場」の作り方は、既存コミュニティ活用、著名キャラクター活用、ユーザーの熱狂を最大限高める装置を作る、など様々な方法があります。

 ですが、大切なのは「場」にリアルタイムにユーザーが反応でき、対応できる仕組みを提供することです。前述のMIES活用を含めて今後も、バスキュールでは多くのユーザーにリアルタイムに楽しんでもらえる「場」と、ワクワクする体験をデジタルで提供して参ります。

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この記事の著者

鳥居 匠(トリイ ショウ)

(株)バスキュール プロデューサー
消費者参加型商品開発の企画や嗜好性によるユーザーコミュニケーション設計、ストラテジーコンサルタント、ウェブプランナー等を経て現職に至る。コーポレートやIR系サイトからブランディングやキャンペーン・プロモーション系まで幅広く担当。ユーザーとクライアントとクリエイターをつないで、アナロ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

西村 真里子(ニシムラ マリコ)

元:(株)バスキュール プロデューサー 現:(株)HEART CATCH代表
IBMでエンジニアとしてWebソリューションスキルを蓄え(特許取得)、AdobeでFlashなどのWeb製品マーケティングマネージャーを経て現職に至る。プロデュースプロジェクトは次世代マス・リアルタイム エンターテインメントの可能性を探るべ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/10/24 10:39 https://markezine.jp/article/detail/21082

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