アドビ システムズは、企業のWebサイトなどのデジタルメディアが消費者の購買行動にどのような影響を与えているかに関する調査結果「Adobe Marketing Discovery」を発表した。
今回の調査結果から、テレビや新聞、雑誌を見て気になった商品情報をWebサイトで調べる消費者は88.3%、店頭で気になった商品をパソコンやスマホで調べる消費者が52.3%、Webサイトが期待に応えていない場合に商品の購入や情報収集を中断してしまう消費者が62.6%であることが判明した。認知、検討、購入判断のそれぞれの場面において、デジタルメディアが消費者の購買行動に及ぼす影響が大きいことが明らかになった。
商品認知のきっかけとして影響力を増すデジタルメディア
消費者に商品認知のきっかけとなっているメディアを複数回答で尋ねると、「テレビ」という回答が80.5%だった反面、デジタルメディアである「ニュースサイト/ポータルサイト」(41.9%)、「企業のWebサイト」(31.3%)、「ソーシャルメディア」(28.4%)も大きな影響力を持っていることが判明した。
また傾向を把握するため、5年前と比較した場合の各メディアの影響力の増減を尋ねたところ、各メディアの増減DI値(5年前に比べて「増加」と答えた回答者比率(%)から「減少」と答えた回答者比率を引いた値)は、「ニュースサイト/ポータルサイト」が+29.1、「ソーシャルメディア」が+24.6、「企業のWebサイト」が+17.0とそれぞれ増加しているのに対し、「テレビ」が-5.9、「新聞」が-20.8、「雑誌」が-22.8など、従来メディアはどれも減少傾向となった。
商品検討段階においても、デジタルメディアは重要な役割を果たす
次に商品認知後の消費者とデジタルメディアの関係を調べた。「テレビ/新聞/雑誌を見て気になった商品の最新情報をWebサイトで調べることがどの程度あるか」と尋ねたところ、88.3%の消費者がWebサイトで調べると回答した。つまりテレビ・新聞・雑誌などによる消費者への認知だけでは不十分で、情報収集しようとする消費者の期待にWebサイトで応えることが極めて重要であることが判明した。
また、実店舗とデジタルメディアの関係を調べるため、「店頭で気になった商品について知りたい場合、あなたはどの行動をとることが多いですか」と尋ねたところ、52.3%がWebで調べると回答した。すなわち、店舗経営者は、店舗とWebとの関係を踏まえ、店頭とデジタルメディアを連動させた展開を行わなければ、販売機会を逸してしまう可能性があることを示している。
消費者の期待に応えないWebサイト、6割超の消費者が商品購入や情報収集を中断
さらに、Webサイトの体験と購買の関係性についても調査しました。Webサイトが消費者の期待に応えていない場合、購買行動にどのような影響を与えるか尋ねたところ、62.6%が商品購入または情報収集のいずれかを中断する、という結果となった。これにより、Webサイトの体験が適切でないと、商品・サービスの販売機会を逸してしまう、という大きなリスク要因になることが判明した。
【調査概要】
調査目的:消費者の購買行動におけるデジタルメディアの役割を把握する
調査手法:Webアンケート
調査対象:消費者
有効回答数:1,000件(29歳以下男女250名、30代男女250名、40代男女250名、50歳以上男女250名)
調査期間:2014年10月21~24日
調査実施:アドビ システムズが日経BPコンサルティングに委託して実施
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