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MarkeZine Day 2015 Spring

「広告の力を借りないコンテンツを作りたい」、HOME'Sと眞鍋海里が語る動画「ドリーマー」の制作背景

動画を見たユーザーの反応は?

伊藤:『ドリーマー』を見た方々の反応はいかがでしたか?

眞鍋:実は制作した時は、「海外で評判になって逆輸入的に日本で話題になる」という図式を考えていました。実際、Yahoo! などのポータルで紹介する時にも、そのようなストーリーを入れた方が露出しやすいかな、という思いもありました。

橋本:眞鍋さんからご提案いただいた時、私もそのような意向があったので、うれしかったことを覚えています。HOME'Sのサービスは日本独自のものなので、このような取り組みを「海外に発信したいな」とは何年も前から考えていたのです。そこで、海外と国内それぞれに配信しました。しかし蓋を開けてみたら、国内の方々からも大きな反響がありました。

眞鍋:いわゆるハードワーカーの方々からの共感も多かったと思います。「(居眠りしてしまうほど疲れている状態が)分かる~!」というコメントも沢山いただきました。終電間際くらいの時間になると、Twitterで「今日もおつかれさま!」というコメントと共に動画がシェアされていることもありました。

 ここまで鮮明に反応してくれるのか、と驚いたことも記憶に新しいです。もともと動画での狙いが、長い通勤時間に疲弊している方々に「もっと利便性の高いところに住みましょう」という提案をすることでした。この動画に共感してくれた方々が、さらに動画を広めてくれるという相乗効果があったと思います。

『ドリーマー』の分析から見えたもの

伊藤:『ドリーマー』の視聴やコンバージョンに、何か特徴はあるのでしょうか?

橋本:今回初めての海外配信を行ったわけですが、海外は日本に比べ、YouTube上でのアクション率が2倍もあり、ユーザー間のコミュニケーションも非常に積極的です。結果として「低価格で大量の視聴」と「高い精度のリンク拡散」という効果が得られました。やはり、拡散によるオーガニック再生数が増えたのだと思います。

 一方日本国内の場合、広告配信期間中はCPV(Cost Per View)も高く、それほど視聴者は増えませんでした。ですが、その後に積み上がり続けたオーガニック再生でCPVが通常レベルまで回復し、視聴者率も90%以上に達するようになりました。

 また、もう1つユニークな発見もあります。『ドリーマー』は、電車に乗客のさまざまな居眠り姿の画像をつなげた動画なので、「どの映像が流れた時に視聴者が離反したか」の紐付けが容易です。そこで、YouTube Analyticsで「再生されている時間に対し、どれだけの視聴者が残っているか」を分析しました。

 すると、面白い傾向があることが分かりました。例えば、若い女性の後で、男性の顔がいきなりアップになると離反率が急上昇する傾向がみられました。またBGMのワンコーラスが終わると離反率が上がるなど、映像だけでなく音声も視聴者の維持・離反に関係あることが分かりました。

眞鍋:面白いですね。逆に、離反が少ないケースはありましたか?

橋本:プレスリリースに動画のサムネイルを掲載したのですが、メディアに掲載されたシーンでは視聴者がよく見てくれているようです。

嘘が通じない今、必要なコミュニケーションとは

眞鍋:動画を作った後にいろいろな数値を見ることで、さらにブラッシュアップをすることができそうですね。

橋本:そうですね。今回、少し詳しく動画を分析する機会を作りました。このように分析することで、動画マーケティングのPDCAサイクルを回していくことが可能かもしれません。例えば、離反率を分析することで「完全100%視聴率」のコンテンツを作ることも夢ではない。もちろん、実現は容易ではないと思いますが。

 しかし「生活者は何を見たいのか、何が見たくないのか」を分析することで、より良いものが作れると思います。結論として、今回のように「まず作ってみる」そして試すことで、成功した点と改善点を確認し、次に生かすという方法もあるのではないかと考えています。

伊藤:では最後に、橋本さんと眞鍋さんの今後の目標をお聞かせください。

眞鍋:私は、これからは「シンプルにコミュニケーションしていくこと」が重要になるのではないかと考えています。「企業のメッセージ」と「生活者が欲しい情報」の間に無理やりハブを作るのではなく、アイディアを商品やサービスそのものに投影していく方が大切になるのではないでしょうか。

 今、良いモノは「良い」と認められる、嘘が通じない世の中になっていると実感しています。ですので、シンプルに「これはいい」と伝えられるモノや、そういう部分にアイディアを持っていくことに取り組みたいと、個人的に考えています。

橋本:私はできることなら、「気が付いたら、いつの間にかユーザーが広告を見た/接触した」というように、明確に意識しないままコンバージョンしてもらえるような仕組みや軸を作っていきたいと考えています。コンテンツに触れた結果、ユーザーのより良い生活を実現するような仕組みです。最終的には「広告」ではない、お客さんとの新しいコミュニケーションの形を追求したいですね。

伊藤:今回は動画コンテンツのお話をしていただきましたが、根底には「生活者が何を望んでいるか」を考え、寄り添う姿勢があるのですね。本日はありがとうございました。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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