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統括編集長インタビュー

“機能性”から“体験向上”へ─ これからの企業向けサービスの競争優位

 米国時間4月7日(火)~9日(木)にかけて、クラウド型のビジネス管理プラットフォームを提供するDomoが、サービスローンチイベント「Domopalooza」をアメリカのユタ州ソルトレイクシティで開催した。同イベントの中でさかんに言われたのがユーザー体験の向上。その真意はどこにあるのか、同社のUX担当バイスプレジデントのクリス・ウィリス氏に聞いた。

エンタープライズ向けサービスに対するニーズの変化

── まず、あなたのバックグラウンドを教えてください。

 いくつかのテクノロジー企業を経た後、CEOのジャシュ・ジェイムズと出会いDomoに入社しました。現在はDomoプロダクトのUX担当バイスプレジデントとして、Domoのサービスを通じていかにユーザーに対して心地よい体験を提供するかに日々向き合っています。Domoの仕事では、これまで経験してきたコンピューターサイエンス、アート・デザイン、メディアといった領域での知識全てを動員させていますね。

 ビジネスユーザーの目線で見た時、従来のBIツールは使いにくいユーザインターフェイスだと感じています。ユーザーが求めているインターフェイスが現実にはありません。Domoはそのギャップを大きなチャンスと捉えています。他社とは違うユーザー体験を提供することができれば、競争優位性を持つことができると考えています。

Domo UX担当バイスプレジデント
クリス・ウィリス氏

── そのような考えを持つにいたった背景は、どこにあるのでしょうか。

 まず、そもそもの前提としてエンタープライズ向けサービスに対して顧客が求めるニーズが変わりました。これまでのエンタープライズ向けサービスは「他社にはない機能がある」という点を自社サービスの優位性として強調することが多かった印象です。選ぶ側も機能比較表を見て比較、検討していました。

 しかし、実態は優れた機能があったとしても顧客が使いこなせている状況とは言えません。また、そもそも機能訴求で他社より優れていると強調することが難しい時代にもなっています。つまり、エンタープライズ向けサービスの価値訴求ポイントに変化が起こっているのです。

 中でも大きな変化と言えるのが、ユーザー体験がよいものを顧客が求めるようになったということです。エンタープライズ向けサービスの、ユーザインターフェイスに対する要求水準がここ数年で劇的に変化しました。

── なぜ要求水準が変わったのでしょうか。

 考えてみてください。私たちはここ数年でグーグル、フェイスブック、アマゾンといった優れたインターフェイスを実装したサービスを毎日使うようになりました。それらのサービスが提供する体験に慣れてしまったのです。エンタープライズ向けサービスも同様で、Google Appsなど優れたユーザインターフェイスを提供しているサービスが既に存在します。

 日常で優れたインターフェイスに接する機会が少ない時代であれば、エンタープライズ向けサービスのユーザインターフェイスに対してユーザーが疑問を持つことは少なかったでしょう。しかし、いまは明らかに状況が変わっています。

── イベントの各セッションでも、ユーザー体験の向上がたびたび強調されていました。優れたインターフェイスが、競争優位性を持つための重要な要素と考えてるのでしょうか。

 まったくそのとおりです。お話したとおり、エンタープライズ向けサービスに対する要求水準が変化していると考えてます。使いやすくなければ誰も使いません。誰も使わなければ投資に見合った成果を出すこともできず宝の持ち腐れになることは明白です。優れたユーザー体験を提供できなければ、あっという間に淘汰されていく時代なのです。

 特に私たちの顧客は、CIO、情報システム部門担当者、データ分析者といった普段からBIツールに触れる機会が多かった方々だけではなく、ビジネスユーザー全般が対象です。ビジネスユーザーが毎日触っていたくなるようなユーザインターフェイスにしていかなかればなりません。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/05/14 08:00 https://markezine.jp/article/detail/22399

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