米国本社も日本市場を重視、サポート体制を強化
MZ:TubeMogulはディマンドサイドに特化されていますから、在庫についてはどういうSSPと組むかという話になるのですね。パートナーとなる、プレミアム在庫を扱うSSPの温度感も変化していますか?
近藤:そうですね、もちろん活性化しつつありますが、花開くには在庫の数がハードルになっていますね。そもそも日本ではビデオ広告のプレミアム在庫の数が、日本のブランド企業のマーケティング活動にフィットする程度、出回っていないんです。まさにこれから、というところです。
ただ明らかに、モバイルから見られる動画は増えているので、おそらく広告在庫が増える前にまずコンテンツが増えるというステップを踏んで、成長していくと思います。我々はそれを見込んで、いち早く広告を扱う準備をしていくのが大事だと捉えています。
MZ:日本市場を近藤さんが統括され、日本を含めてアジア全体はサロップさんがみていくのですね。
スーザン:そうですね。ただ、米国本社にとっても日本市場は重要なので、本社にも日本語ができる人を採用するなどして、日本でのビジネスをサポートする体制を整えています。
ブレット:グローバルで見ても、日本は米と中国に次いでNo.3の規模の魅力的な市場なので、2年前に日本初のビデオ広告DSPとしていち早くサービスを立ち上げたのです。
日本の市場環境を踏まえてサービスをローカライズ
ブレット:当社は米以外に11カ国で事業を展開していますが、ローカルカンパニーをとても重視しています。言語などの違いだけでなく、ローカルのデータパートナーやパブリッシャーとの提携が大事になるからです。適切なユーザーに適切なタイミングで接触するためには、データによるターゲティングが不可欠ですから。
近藤:ローカライズを重視する点は、僕がTubeMogulを選んだ理由のひとつでもあるんです。かつ、日本市場に対する期待とコミットメントが高い。賭けるべき会社だと思いました。
国ごとに、強いメディアは異なります。ダイレクトレスポンス系はともかく、ブランディングはメディア環境をよく理解していないと難しいと思いますね。
MZ:では、今後の意気込みをお聞かせください。
近藤:昨年、TubeMogulはグローバルで227%成長し、今年も50%以上は伸びる見込みです。ビデオ広告分野では、非常にいいポジションで事業を展開していると思います。
その中での僕の役割は、サービスを日本市場へフィットさせ、日本のマーケターに使いこなしていただくこと。そのためにシンプルなメッセージを開発し、効果的な使い方を丁寧に解説していきます。
そして、日本ではやはり広告会社とのコラボレーションがとても大事なので、一緒にビジネスを大きくしていきたいと考えています。ビデオ広告に15年携わる中で、何度かあった強い追い風を今また感じています。これを逃さずに捉えていきたいですね。