精度の低いデータは「収益を圧迫する」との認識が進む
北村:第2章では、データを整備して顧客像を明確にする方法を紹介しています。エクスペリアンが行ったデータ品質に関する調査によると、営利企業の83%において、データ品質の低下は経営幹部レベルの課題であると指摘されている点です。精度の低いデータは、生産性の低下やコミュニケーションコストの増加など、収益を圧迫すると懸念されています。
MZ:データの精度を高めるには、集め方に注意すればいいのでしょうか?
北村:もちろん、データ収集時から精度に注意することも大事ですが、メンテナンスも同様に大事ですね。今はDMPの活用も進み、それに伴ってサードパーティーデータをどう組み合わせるかもマーケティング成果を左右するポイントになります。そのあたりも当社の知見を元に解説しています。
MZ:冊子には、データ収集のベストプラクティスも紹介されていますね。まずデータを整備して、次の顧客理解のステップへ進むと。ここでポイントになるのは、どのようなことでしょうか?
北村:消費者は、それぞれ独自のプロファイルを持っているということです。データ整備により真の顧客像をつかむことが第一で、それを元にプロファイリング戦略を立てて、カスターマージャーニーをデザインすることが大事です。
海外に遅れを取る、CRMやアトリビューションに着手を
MZ:その上で、最後の章、実際のコミュニケーションを展開していくというステップへ進むのですね。
北村:ええ。アトリビューションの考え方なども紹介していますが、ここでは特に日本のマーケターの回答が世界の平均と異なっていました。適切なアトリビューションモデルの選択や、着手の仕方、またこれによって得られたインサイトに基づく行動にも、他国以上に困難を感じていることがわかりました。
MZ:なぜ、日本のマーケティングが特に遅れているのでしょうか?
北村:冒頭の問題に戻りますが、やはり組織が分断され、データも分断されていると、アトリビューションのトラッキングは難しいですよね。日本の企業は、同じように一気通貫のデータ活用が重要になる長期的なCRMも苦手な傾向があります。海外の結果と比較すると、この部分はもう少し意識する必要がありそうです。
MZ:では、今回挙がった課題に対して、エクスペリアンはどのようなサービスを提供されていくのか、今後のロードマップを教えていただけますか?
北村:当社は近年、「Cross-Channel Marketing Platform(CCMP)」というツールを中心として企業のマーケティングをサポートしていますが、元々データ分析とその活用に大きな強みを持っています。データに基づく適切なコミュニケーションを実現できるように、ツール活用の前提となるデータ整備やコンサルタントによる人的なサポート、また今回のような調査・レポート活動も含めて、さまざまな面から企業の支援を続けたいと考えています。
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第1章:顧客の心をつかみたければ、マーケターはスマートであれ
第2章:真の顧客像を明確化する
第3章:顧客の行動と思考を理解して、コミュニケーションを最適化する
第4章:チャネルを横断した顧客とのインテリジェントなコミュニケーション
全4章にわたり、調査結果やケーススタディを織り交ぜながら解説した本レポートには、デジタル時代に合わせて企業が組織構成や施策などをどう変えていくべきかを考える多くのヒントが散りばめられていますので、ぜひご活用ください。ダウンロードはこちらから!