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カスタマージャーニー研究プロジェクト(AD)

サンダルの会社ではありません、クロックス・ジャパンを支えるマーケティング哲学とは?

欠かせない「LINE」という選択肢

 木村氏が現在注力しているコミュニケーションがLINEだ。各地の実店舗、オンラインショップでLINE@のアカウントをそれぞれで運営していた状況から、2017年4月、クロックス・ジャパンとして公式アカウントを開設。

 LINEの公式アカウントでは月に最大4件までメッセージを配信できるが、2回をECショップに、残りの2回をそれぞれ新商品情報とブランディングに振り分けて運用している。

 ここでも、オンサイトマーチャントチームがカスタマージャーニーに基づき、ECやバナーをはじめとする広告クリエイティブ、コミュニケーションを司り、デジタルマーケティングチームがメール、バナー、LINEを巧みに使いこなす体制が効いてくる。

 「たとえば、本日18時から6時間限定のプロモーションを行う場合、LINEなら実効性が高い。メールかLINEか、一斉配信かOne to Oneか、常に見極めながら最適化を図っています」(木村氏)

 また、クロックス・ジャパンはユーザーが投稿するコンテンツ(UGC)も重要視している。

 「ユーザーが実際に履いているOccasion(場面)こそ、私らしい履きこなし(come as you are)といえます。ハッシュタグ「#crocs」と入れた投稿の中で使用許諾の得られたコンテンツを、バナークリエイティブなどに活用しています」(木村氏)

新規顧客の獲得が最も重要

 顧客中心のマーケティングを実践し、さらなる強化を実行するクロックス・ジャパン。今後の展開について聞いたところ、木村氏から2点の言及があった。1点目はLINEへの取り組みだ。

 「2017年に実施したLINE施策では、LINE経由の入店者数が非常に多く、手応えを感じています。Marketing Cloudを導入する私たちにとって、2016年にセールスフォースとLINEが機能連係したのは朗報でした。LINEビジネスコネクトを使ったOne to OneマーケティングをMarketing Cloudベースで実施できるよう、現在準備中です。新たなコミュニケーションへのチャレンジで成果を期待したいですね」(木村氏)

 もう1点がスマートフォンの最適化だ。

 全体のトラフィックに占めるモバイルの割合は、日本だと約7割。にもかかわらず、以前は売り上げが全体の35%しか占めていなかったという。そこで、木村氏がグローバルに掛け合ってCommerce Cloudのベースフォーマットをスマートフォンに最適化し、エリアごとにチューニングをできるようにした。

 「システムはグローバルで管理していますが、日本独自の事情に応えられるカスタマイズは、今後さらに継続したいですね。日本のことを一番よく知っているのは私たちだという思いは強いです」(木村氏)

 木村氏は「デジタルマーケターにとって新規顧客の獲得は最も重要なミッション」だと強調する。既に今後に向けた打ち手を複数用意していることも伝わってくるクロックス・ジャパンが、木村氏のリーダーシップのもと、どのような新しいOne to Oneマーケティングを展開するか。大いに注目したいところだ。

カスタマージャーニー研究プロジェクトチームのコメント

加藤:小売業において、売上に占めるモバイル比率の向上は命題です。これに応えるアプローチとして、クロックスさまの取り組みからは、4つのキーワードが見えてきます。ECサイトのモバイル対応、LINE対応、One to One (パーソナリゼーション) で売上を2割上乗せ、CommerceとMarketingテクノロジーの連携。これらはどれも今の時代のカスタマージャーニーに対応するために欠かせない要素だということが、実感できるインタビューとなりました。

押久保:「時代の変遷と技術革新が進む中、『変わらないこと』と『変わっていくこと』のそれぞれに最適な対応を心がけてきた」。さらっと語っていますが、デジタル時代になったからといって全てが変わるわけではありません。最適なコミュニケーションを設計する上で非常に大切な視点だと感じました。また、各国で情報共有できる点は外資系企業の大きな強みといえるでしょう。

カスタマージャーニー研究プロジェクトとは?
「カスタマージャーニー」、顧客の一連のブランド体験を旅に例えた言葉。デジタルやリアルの接点が交差し、顧客の行動が複雑化する中、「真の顧客視点」に立って、マーケティングを実践する重要性が増してきました。
カスタマージャーニーに基づいたマーケティングの必要性は、その認知が進む一方で、「きちんと“顧客視点に基づいたシナリオ”を作成し、運用できている企業はまだまだ少ない」多くのマーケターに意見を聞くと、そのように認識されています。
今回、押久保率いるMarkeZine編集部とセールスフォース・ドットコム マーケティングディレクターとして、各企業とジャーニーを研究してきた加藤希尊氏を中心に、共同でカスタマージャーニー研究プロジェクトを立ち上げました。本プロジェクトでは、「顧客視点のマーケティング」における成功例を取り上げ、様々なアプローチ方法をご紹介していきます。その他の成功例はこちら

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この記事の著者

加藤 希尊(カトウ ミコト)

チーターデジタル株式会社 副社長 兼 CMO 広告代理店と広告主、BtoCとBtoB両方の経験を持つプロフェッショナルマーケター。WPPグループに12年勤務し、化粧品やITなど、14業種において100以上のマーケティング施策を展開。2012年よりセールスフォース・ドットコムに参画し、日本におけるマ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

遠藤 義浩(エンドウ ヨシヒロ)

 フリーランスの編集者/ライター。奈良県生まれ、東京都在住。雑誌『Web Designing』(マイナビ出版)の常駐編集者などを経てフリーに。Web、デジタルマーケティング分野の媒体での編集/執筆、オウンドメディアのコンテンツ制作などに携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2017/11/30 10:00 https://markezine.jp/article/detail/27193

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