まるでおもちゃ箱のように、たくさんのカラフルな雑貨が並ぶ店内。一方向に決まっている順路を進むと、次々とアイテムが目に留まり、どれも手ごろな価格だけに気づけばカゴがいっぱいに――。単にモノを売るのではなく、顧客にインスピレーションを与えている「フライング タイガー コペンハーゲン」は、その唯一無二の存在感で多くのファンを捉えている。日本に上陸して6年目の現在、そのブランド哲学と「広告をしない」という本国の方針、コミュニティーマーケティングの取り組みを聞いた。
※本記事は、2017年10月25日刊行の定期誌『MarkeZine』22号に掲載したものです。
EU圏を中心に急成長2012年より日本展開

Zebra Japan 株式会社マーケティング部長 柘野 英樹(つげの・ひでき)氏
1997年にADKインターナショナルでメディア営業部、営業部を経て、2004年にアディダス ジャパンに入社。PR、ブランドマーケティング、リテールマーケティングを担当し、その後、スターバックスコーヒー ジャパンに転職。年間プロモーションの設計、実行から、商品本部コーヒーチームでは新商品のグローバルプロジェクトをリード。2014年Zebra Japanに入社。北欧デンマークの雑貨ストア「フライングタイガー コペンハーゲン」のマーケティング責任者として数々のプロモーションをリードしている。
――今回は、表参道の店舗内で取材をさせていただいています。いつ訪れてもカラフルでデザインの凝った雑貨がたくさんあって、目移りしてしまいますね。北欧で生まれたフライングタイガー コペンハーゲン(以下、フライングタイガー)は、日本では2012年より展開され、店舗オープン時の行列も話題になりました。まずは国内外の出店状況と、顧客層について教えてください。
フライングタイガーは1995年にデンマークで誕生し、現在は世界30ヵ国、800店舗ほどを展開しています。日本では2012年、大阪のアメリカ村にアジア初出店として進出しました。翌年にこの表参道ストアをオープンし、関東、中部、関西に広島と福岡を加えた計23店舗を運営中です。
私が所属しているZebra Japanは、AfternoonTeaやKIHACHIなど多数の衣食住ブランドを手がけるサザビーリーグと、本国で当ブランドを展開するZebra A/Sとの合弁会社です。表参道ストア出店時から、この形で運営しています。日本でも急展開したため、今まさに今後のさらなる発展を見据えて、店舗も仕組みもスクラップ&ビルドの改革中です。
顧客は、日本だとおしゃれな北欧雑貨というイメージで広まったのもあって、20~30代の主婦や有職女性が中心です。デンマークだと日本ほどコンビニがないのでコンビニ感覚で、男女年齢とも幅広いですね。菓子やジュース、日用品も多く扱い、もっと生活に密着しています。
――元々の日本進出と、合弁会社の設立に至った経緯をうかがえますか?
フライングタイガーは元々ファミリーカンパニーで、創業者のレナート・ライボシツが妻と一緒に始めた事業です。海外出店は最初のアイスランドのときから、レナートとブランド哲学を共有できた現地パートナーと対等に出資して進出するのが基本で、EU圏を中心に急激に発展しました。
ただ、日本だけはレナートに特別な思い入れもあって、はじめは本国資本100%で進出しました。デンマークと日本は相性が良く、デンマークのデザインは自然からヒントを得ていますが、日本でも自然の一部に人間がいるといった思想がありますよね。感性が似ているところがあります。それに、日本はマーケティングやリテールビジネスが発達して知見が豊富なこともあって、今後の発展を考えて最初にEUを飛び出す先に日本が選ばれました。
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高島 知子(タカシマ トモコ)
フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。
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