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運用型広告時代の要!トレーディングデスク最前線(AD)

小霜氏が語る、マス×Webアプローチで欠かせない「最適化」とは/業界のボトルネックはどこにある?

予算配分コンサルティングは企業にとっての「福音」

――小霜さんはこの「予算配分の最適化」にどのように取り組まれていますか?

小霜:ハートラスさんがやられている「予算配分コンサルティングサービス」が僕には魅力的に感じられました。そこで、このサービスの開発・普及を目指した提携を結び、サービス名も「FigA(フィーガ)」としました。

 「FigA」は「Figures for allocation」の略で、つまりは「ツールなし、数字のデータだけで分析・提案しますよ」という意味です。このサービスの何が魅力かと言うと、まず安い。

高瀬:(笑)。

小霜:いや、これ大事なことなんですよ。たとえば、メディアの予算配分を最適化するツールの導入に年間1億円も割くというのは本末転倒ですよね。それならば、その1億円を使って闇雲にメディア予算を増やしたほうがよっぽど良い。実際、これに似たことが起きているというのが現状です。導入にコストがかからないというのは一つの大きな魅力です。

 それと、ハートラスさんは企業から提供されたあらゆるデータを見て、総合的な分析をされています。そのため、応用の幅が広いです。企業の顧客とのコミュニケーション施策は、マスかWebという話だけではなく、多岐に渡ります。チラシを配る施策が有効という業態も当然あるでしょう。「結局どの施策が効いているのか」が明らかにならないと、本当の意味での全体最適化は行えません。

――具体的に企業から預かるデータというのはどういったデータなのですか?

高瀬:NDA(秘密保持契約)を結んだ上で、基本的にマーケティング活動に関わるデータはほぼすべてアクチュアルデータでいただいています。

 また、企業の課題に影響を与えているデータがマーケティング活動以外にもありそうだと判断した場合は、そういったデータも提供していただきます。たとえば、営業の方が「いつ・何回・どこに訪問したのか・それは単独だったか/商品担当の同行だったか」などです。他にも、企業のビジネスモデルやバリューチェーンに合わせて、必要なデータを可能な限りご共有いただいています。

小霜:これによって、企業への負担はかなり軽減できると思います。企業の中には、デジタルのリテラシーがあまり高くない企業も実は多く存在します。デジタル専業系の代理店を含めた打ち合わせの場でも、「なるほど」と言いながら意味をよく理解していないことが往々にしてあります。一方で、代理店側は理解してもらえたと思って帰っていく。

小霜:そうした状況でいくらツールを導入しても、データを有効に活用できるとは思えません。企業が自分たちの手で何かを動かすのではなく、提供できるデータだけを共有する。後は、「予算配分のコンサルティング」に任せて最適な打ち手を提案してもらう、というのは企業にとって”福音”だと思います。

マス×Webで求められるクリエイター像

――マスとWebの統合が効率化されない問題について、コンテンツを作る側のクリエイターにはどのようなボトルネックがあると感じていらっしゃいますか?

小霜:よく、「Webの何が楽しいのか」と言われることがあります。僕みたいなマス出身のクリエイターの多くは、自分が作ったテレビCMが社会現象になるといった成功体験を持っています。一方で、Webの世界ではそれが時に「無駄」だとされてしまうことがある。本来のターゲットではない人、つまり購入の見込みがあまりないと思われる人にも広告を露出してしまっているということですから。こうした感覚の違いはあると思います。

 他には、Webを前提にクリエイティブを制作しているにもかかわらず、「SNSのフォーマットに合わせてコンテンツを調整して欲しい」といった依頼に難色を示すCD(クリエイティブディレクター)がいます。マスとWebを統合する視点を持って柔軟に対応できるような人が指揮をとっていかなければ、効率化はなかなか果たすことができません。

高瀬: 分析をさせていただく我々としても、統合的なアプローチに前向きな方とは、お仕事がしやすいです。ついつい「マスとWebの統合」が手法になってしまいがちなのですが、コンテンツを届ける方法として、テレビでマスに届けるのか、Webでデバイスに配信するのかを最適化するのが我々の役割なので。

 制作したコンテンツが結果的にどう届いたのか、投資対効果がどうだったのかに関して、我々は詳細な分析を行います。クリエイターの方々には、そうした分析データを、コンテンツ制作の前段階での判断材料としてポジティブに捉えていただきたいですね。「コンテンツが届くべき人にきちんと届くのであれば、マスとWebの配分は自由」というのは、マス系出身のクリエイターの方々にとっても、非常にポジティブなことではないかと思っています。

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この記事の著者

大木 一真(オオキ カズマ)

モジカク株式会社 代表取締役。株式会社サイバーエージェントに新卒で入社し、Webメディア「新R25」の立ち上げにディレクター兼編集職として参画。Webマーケティングを手掛ける株式会社AViC(2022年7月に東証グロース市場へ上場)の創業期に参画し、執行役員を務める。2019年1月にBtoBサービスやSaaSの導入事例の制...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/04/12 10:00 https://markezine.jp/article/detail/29667

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