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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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定期誌『MarkeZine』デジタルクリエイティブの作法

没入感×余白×わかりやすさ Z世代がハマるコンテンツとは

 1990年代後半から2000年代の初めに生まれた若年層を指すZ世代。早くからSNSに触れ、スマホのある生活が当たり前の彼らは、多量な情報の中から自分たちに合うものを見つけ出し、スピーディーに消費していく。そんなZ世代のインサイトを熟知し、夢中にするコンテンツを生み出してきたのが、TBWA HAKUHODOでコンテンツプラナーを務める池田昂平氏。広告業界は未経験だという池田氏から、Z世代に向けたコンテンツ作りのルールを聞いた。

※本記事は、2019年3月25日刊行の定期誌『MarkeZine』39号に掲載したものです。

脳にカロリーを使わせない

TBWA HAKUHODO コンテンツプラナー 池田昂平氏
1991年生まれ。人が自分であることを誇りに思えるための映像、コンテンツ制作を行う。SNSに特化したコミュニケーションをカルチャー目線で開発し、PR方法を前提にした事業、サービスを展開。10代に絶大な人気を誇るコンテンツで、2018年上半期、国内でバズったトレンド動画1位に輝く。過去6年間に3,000本以上のYouTube動画を制作し、累計再生数は8億超。また、芸能プロダクションでは、タレントの商品価値を高めるためのブランディング、教育を行い、海外11カ国での興行を成功。日本有数のコンテンツクリエイターとして、国内外の多数のメディアに作品が取り上げられている。

――池田さんは、Z世代と呼ばれる若年層に向けたコンテンツ制作が得意と聞いています。この世代のコンテンツ消費の傾向や特徴的なインサイトを、どのように捉えていますか。

 Z世代とは、一般的に1996年から2012年頃に生まれた人を指します。アメリカ発祥の定義で、中学生からSNSに触れ、高校生でスマホを持った世代と言われています。今では中学生もスマホを所有し、小学生でもTikTokに動画を投稿するのが当たり前です。

 他の世代との違いは、彼ら自身を取り巻く情報量が圧倒的に多いところ。その環境で生まれ育ってきたため、情報の取捨選択がスピーディーになっています。つまり、コンテンツに触れたとき、見るか見ないかを判断するスピードが格段に上がったのです。

 そのため、私がこれまで制作してきたコンテンツの多くは、0.1秒以内にスマホをスクロールする親指を止めさせる仕掛け「サムストップアクション」を意図的に入れています。見続けてもらうには、パッと見て「おもしろいコンテンツだな」と判断させなくてはならないのです。

――Z世代は他の世代よりも素早くコンテンツの好みを判断しているのですね。では、好きなコンテンツであれば、他の世代に比べて真剣に見るのでしょうか。

 はい。そう考えます。スマホが当たり前の彼らの特徴として、スマホで能動的に情報を収集する傾向が強い点が挙げられます。そのため他の世代よりも、好きな物に対して自ら調べどんどん没入していきやすい。

 それによって進んでいるのが、スマホ以外離れです。以前高校生と座談会を行ったとき、「どんなテレビ番組を見ますか?」という質問に、「そもそもテレビが家にない」「全く見ない」「ほぼ見ない(好きな番組だけ能動的に視聴)」と言う回答が95%近く集まりました。1人暮らしで「テレビを持っている」と答えた人は10%もいませんでした。

 特にZ世代に対しては、数ある情報の中から差別化して、認知をさせ、調べていいかどうかの土俵に上げることが大事。その認知のフックとなるのが、脳にカロリーを使わせずに良いものと判断させることです。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/03/25 15:30 https://markezine.jp/article/detail/30641

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