最も力を注いだのはマーケティングの改革
――続いて、マーケティングについてもおうかがいします。数字はもちろんですが、経営者として、マーケティングとセールスに期待することは何でしょうか。
小出:まず大事なのは、マーケティングとセールスというのは車の両輪なので、その2つがあってはじめて、いろいろな成果が生まれてくるということ。
そして、セールスフォースに来た5年半前、私が一番変えてきたのがマーケティングの仕組みです。World Tour Tokyoのようなイベントドリブンなマーケティングに注力してきましたが、それだけでは会場にお越しいただいた方々の認知度しか上がらないですし、来場者の多くがすでにサービスを導入されているということであれば、これまでとは違うアプローチが必要になる。

もう少し統合されたマーケティングが必要だということで、たとえばセールスフォースをまったく知らない層に対してはテレビでもアプローチしています。プロゴルファーの鈴木愛さんと所属契約を結んでいるので、彼女が出場する大会の中継ではセールスフォースのロゴがテレビに映ります。そうすると、「セールスフォースって何だろう」と思った方が検索してホームページにアクセスする。こういうことも論理的なプロセスを入れて変えてきました。
イベントもウェブサイトもテレビCMもやるし、新聞も空港も地下鉄もジャックする。このようにすべてがインテグレーテッドされたプロセスの中で認知度が上がり、アクセスが増えて、デマンドジェネレーションやリードジェネレーションも行われて、The Modelのプロセスを担う人たちがインバウンドのリードに対応する。そして、我々のほうからもアウトバウンドでアプローチしていく。
すべてをロジカルに考えて、マーケティングとセールスをうまく組み合わせていかなければ、「CRMナンバーワンです」という看板だけを出していてもわかっていただけないと思います。