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セールスフォースは自らを変革しながら、市場を拡大していく【小出会長インタビュー】

業種別サービスとプロダクトの原点

――正解がない中で、企業の経営者は決断を迫られるわけですが、そうなると信頼できるパートナーがいるかが重要になってきますね。

小出:「ソリューションカンパニー」という言葉がありますが、「ソリューション」という言葉に意味を与えて広めたのは日本企業です。お客様の課題を聞いて、それを解決するさまざまなソリューションを提案するソリューションカンパニーがたくさん出てきました。

 しかし今はテクノロジーが進化し、個人も進化しています。ひとつのソリューションで何かが解決するといったシンプルな世界観ではなくなってきました。これから求められるのはビジョンやビジネスモデルを一緒に考えられる人たちです。Selling 2.0から、3.0、4.0へ移り変わっていく中で、将来のビジョンを一緒に作ったり、商品を売るということの一番価値のあるアプローチの方法を構築していける人が必要なのです。

――自動車や金融をはじめ、日本企業は事業の根幹での変革を迫られています。セールスフォースでは、金融、流通、製造、自動車など数多くの業種別サービスを提供していますが、こうしたサービスに注力するのはなぜなのでしょうか。

小出:いつの時代もそうなのですが、IT業界内部で通用するコンピュータの言葉で話すのではなく、お客様の言葉で話すことが大事になってきています。我々だけではなく、各社が産業別のソリューションを出してきているのはそういうことではないでしょうか。

 セールスフォースがお手伝いしているのは、銀行でいうと基幹勘定系ではなく、顧客接点に近いところ。そこが昔よりも重要視されつつあるので、我々の得意技を発揮できるようになってきた。あらゆるものがつながり、必ずその先に顧客がいる。その顧客の視点から見たソリューションを作るというのが、セールスフォースのプロダクトの原点です。

――Financial Services Cloudは、金融業界からの要望を受けて開発したということなのですが。

小出:金融のお客様であれば、金融ならではのユーザーニーズがあります。保険なら保険、製造なら製造、流通なら流通、それぞれのユーザーの声を常に聞きながらプロダクトに反映していくと、インダストリー別のソリューションができあがる。どちらかというと、企業の声というよりは、企業の先にいるお客様の声をひろってくとプロダクトが生まれるということだと思います。

――企業へのサービス導入にあたっては、パートナー企業と協力して進めていくことになりますが、セールスフォースはパートナー企業とも強固な関係を構築しています。

小出:我々は今年の4月時点で1,500人を超えるぐらいの会社なので、自分たちですべて対応できるだけのキャパシティはありません。したがって、パートナー企業とコラボレーションしていくことが非常に大事になります。それに限られたリソースだけで考えていると、限られたマーケットの議論に終始してしまいますからね。

 クラウドを世に送り出した企業として、我々にはクラウド市場を大きくしていく役割もある。我々と一緒にビジネスをしていく仕組みを作り、エコシステムを広げていけば必然的にマーケットも広がっていく。

 そのために、パートナーに対する戦略的な投資だけではなく、スタートアップ企業やイノベーションを起こしそうな会社にも、ベンチャーキャピタルとして投資をしています。マーケットを拡大してくことが日本のデジタルトランスフォーメーションを加速するのではないかと考えているからです。現在では、Salesforce Ventures Japanが40数社にコーポレートベンチャーキャピタルとして出資しています。

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

井浦 薫(編集部)(イウラ カオル)

MarkeZineで主に書籍を作っています。
並行して、MONEYzineにも力を入れています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/11/28 08:00 https://markezine.jp/article/detail/32188

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