海外のフードデリバリーとファイナンシャルサービスで成果
MZ:「Re-Engagement」を活用した際の成果について教えていただけますか?
ヒリット:海外の事例を二つ紹介しましょう。一つは米国のフードデリバリー事業者のアプリです。この会社は業界トップ4のうちの一社なのですが、「Re-Engagement」を使って達成したい二つのゴールがありました。一つは最初の注文を獲得すること。もう一つが継続注文の獲得です。
特に最初の注文の獲得数を重視していました。1日に800万回超の起動があるアプリで、このクライアントは6社のリターゲティングパートナーとやりとりをしていたのですが、FacebookやGoogle以外では私たちともう1社の2社のみがパートナーとなりました。パートナーとして残れたのは、注文数を大きくスケールできたことが評価されたからです。
もう一つは欧州のファイナンシャルサービスのトレーディングアプリです。トレーディングアプリはインストールをしてもらっても、実際に取り引きをしてもらわなければ手数料収入を得られません。ですからこの会社は取引数をKPIにしています。「Re-Engagement」は、ユーザーがアプリの使い方に慣れ、頻繁に取り引きをしてもらえるようデモやチュートリアルを体験してもらうために活用されました。メディア支出1ドルに対して3ドルのリターンを要求されましたが、私たちはそれを達成。月に1万回の取引数を2・3倍にスケールさせたことが高く評価されました。
アプリリターゲティングで日本市場を開拓
MZ:最後にYouAppiのビジネス目標と今後の展望について聞かせてください。
モシェ:注力しているのはBtoCの市場です。需要が高まっていますし、事例で紹介したようにいい成果も出せています。ファイナンシャルサービス以外では、不動産会社も重要なクライアントになります。
日本市場の位置づけにおいて触れておくと、日本は米国に次いで2番目に重要な市場です。今の日本オフィスの社員は11人ですが、引き続き日本市場でのビジネス拡大を目指します。アプリのリターゲティングについては日本においても需要の高まりを感じます。トップエージェンシーをパートナーに、引き続き市場開拓を進めるつもりです。
グローバル市場では、アプリマーケティングとリターゲティングビジネス領域で市場を牽引するポジションを確立したいと考えています。YouAppiにはデジタルテクノロジーを深く理解するサイエンティストとエンジニアが揃っています。彼らのナレッジでプロダクトを洗練させ、グローバルリーダーになることを目指します。
芳井:モバイルアプリマーケティングは、新規獲得だけに限ると競合他社が10社以上いる競争の激しい市場です。当社はリターゲティングビジネスで既存顧客へのアプローチによって、活路を見出していきたいと思います。開拓したい業種は、主に小売りや金融の分野です。5Gが登場すればさらに新しいアプリが出てくるでしょうし、これからが楽しみです。