隣にいてサポートを得られるのは“内製化”と同じ
――では、現状の実感や成果をうかがえますか?
松永:ひとつは、当然ながら、オートメーション化よる工数の削減が挙げられます。また、一概にCRMの活用といっても数値目標を立てずに概念的に臨む場合もあると思います。当社では、営業とマーケティングに寄与させることを当初から見据え、効果を計測できるように設計していました。その点においてもプラスの成果をつかめています。キャンペーン分析のように短期的に成果を追うものではありませんが、月毎・半年毎の単位ではようやく向上の幅や傾向が見えるようになってきました。
――松永さんの部署は、社内の各部署のハブのような存在とのことでしたが、社内的な変化などはありますか?
松永:私どもの部署は、“カスタマーエクスペリエンス部”のような冠がありません。あくまで各ビジネス部門をサポートしていく立ち位置です。Service Cloud導入時では、実際に使用する店頭やコールセンターなど現場の社員とは異なり、本部の人間はまだこうしたツール活用の利点を実感できていませんでした。Marketing Cloud導入を機に、パートナーさんから直接のサポートをいただくようになりました。それから、徐々に習熟していきツール活用のメリットを体感することによって、取組姿勢も積極的になってきたという変化を感じています。
――パートナー企業の存在も大きいのですね。
松永:はい、私たちのチームも本当によく勉強させてもらっています。社員には異動もあり新しい人も入ってきますが、パートナー企業の方から常々社内で教えていただきながら、ときには一緒に食事もしています。また、金融業界や会社特有の事情も理解いただいており、このような関係性はもはや内製化と同じであると考えています。
エンドユーザーの体験の向上を目指して
――中津さんは、今回のプロジェクトを振り返っていかがですか?
中津:たった1年半前のことですが、当時は2製品連携の事例が当社にも日本自体にも少なく、チャレンジでしたね。それを非常にデータポリシーの厳しい金融業界で実現するので、データ管理には細心の注意を払いました。無事に軌道に乗せることができ、手応えを感じています。
冒頭でお話ししたように、当社はシステムを導入して終わりではなく、継続してクライアント企業様のマーケティングの成功にコミットすることを目指しており、フェーズごとに必要な人材要件や支援内容に柔軟に対応しながら長く伴走したい考えがあります。
実際、今回のプロジェクトに入っているメンバーたちも、楽しむといったら語弊があるかもしれませんが、新生銀行さんに長く関わることを喜んで、成果を上げていくことに心血を注いでいます。内製と同じという言葉は、信頼関係の表れだと私自身も思うので、とてもうれしいですね。
――ともに走られている様子がよくわかりました、ありがとうございます。最後に、今後の期待や抱負をうかがえますか?
松永:まだ機能を十分に使いこなせていないので、的確に優先順位をつけて成果を高めたいですね。また、MAはまだ立ち上がりの分野であり、事業会社とパートナー、そしてセールスフォースさんの3者がさらに連携して知恵を出し合えば、まだつかめていない課題解決の糸口も見つかると思います。
中津:私たちが常に忘れてはいけないと思っているのは、MAは最終的にエンドユーザーの顧客体験を向上させるものであるべき、ということです。テクノロジーの発展に比べると、生活者の感じ方や体験はそこまでドラスティックに変わっていないと思うので、クライアント企業のみなさまに伴走させていただきながら、その先の“人の心の機微”に寄り添っていきたいです。
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