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「プロジェクト譜」で見出す、マーケティングの勝ち筋

開封率が上昇傾向、今改めて注力したいメールマーケティング 「勝つ」ために必要な3要素とは?

 デジタル接点がより重視されている今、メールマーケティングに注力しようという企業は多いのではないでしょうか。本記事では様々な業界のプロジェクトマネジメントに関わってきた前田考歩氏が、世界各国に拠点を持つBenchmark Emailの日本支社、カントリーマネージャー 神田真幸氏にインタビュー。メールマーケティングの最新情報を解説いただくとともに、メール施策に取り組む上でのポイントを、プロジェクトのゴールと過程を紙1枚で共有できる「プロジェクト譜」を使って紐解きました。

本連載では、『紙1枚に書くだけでうまくいく プロジェクト進行の技術が身につく本』(前田考歩/翔泳社)でも取り上げている、プロジェクトのゴールと過程を紙1枚で共有する「プ譜(プロジェクト譜)」を用いて、激変する環境でもプロジェクトを進めていく方法を、いくつかの事例とともに紹介していきます。

▼前回の記事はコチラ

上昇しているメルマガの開封率

前田:今日は、メールマーケティングの現状と今後の打ち手についてお話しを伺えればと思います。まず神田さんの所属するBenchmark Emailについて教えていただけますか?

神田:Benchmark Japanは、米国のBenchmark Internet Groupが提供するWebサービス「Benchmark Email」の日本ユーザー向けサポートの拠点として2012年に開設された、海外支社の一つです。当社は世界9ヵ国に支社があり、北米・南米・ヨーロッパに加え、日本・台湾・中国などへ展開しています。私は日本支社のカントリーマネージャーを務めています。

Benchmark Japan カントリーマネージャー 神田真幸氏
Benchmark Japan カントリーマネージャー 神田真幸氏

前田:今世界のメールマーケティングにはどのような変化が起きているのでしょうか?

神田:昨今、外出自粛によりオンラインでのコミュニケーションが増えたことで、SNSやメッセンジャーアプリの利用が急増しているというニュースを目にしますが、メールにおいても変化が見られます。

 3月から4月にかけて世界各国でロックダウンなどの措置が取られましたが、それに対応するように、弊社ユーザーの配信するメールマガジンのグローバルの平均開封率は3月後半から上がり始め、4月の平均開封率は1月比で約7%上昇し、5月現在もなお上昇傾向にあります。興味深いのはメールクライアントごとの違いで、Gmailアドレスの開封率が大きく上昇しているのに比べて、Yahoo!MailやHotmailのアドレスは微増である点です。Gmailはスマホアプリの高い普及率もありアクティブなユーザーが多いためと考えられます。

 メール配信数に関しては、4月に10%程度減ったものの、5月には以前の水準に戻ってきています。4月は様々な混乱の中で予定通りの配信ができなかったり、残念ながら解約となってしまったユーザーが多くいました。一方で5月には体制を整えて配信を再開したり、飲食や小売り、施設系のビジネスでリアルでの接点を補うために、新たにメール配信を開始したユーザーが多くいました。

メールの閲覧時間も伸長 一方コンテンツ内容は……

前田:メールの受信者にはどのような傾向が見られるでしょうか?

神田:少し細かいデータですが、米国のWorldataのレポートによると、たとえばBtoCの場合、1日のメールの閲覧時間は、2月の2分5秒から4月は2分57秒へと41%長くなっています。また、メールの閲覧時刻にも変化が見られ、1日の中で朝の8~9時だったピーク時間が、4月以降は午後の2~3時に推移している、かつ閲覧時間が分散しています。おそらく、以前は出勤時や始業前に慌ててメールを読んでいた人々が、在宅勤務になったことで、いつでもメールを確認できるようになったからかもしれません。

前田:なるほど。では配信されるコンテンツにはどのような変化が起きていますか?

神田:メールコンテンツの変化に関しては様々ですが、緊急事態宣言にともなう対応についての告知は多くのユーザーが行っています。

 飲食店では休業や営業時間変更の連絡に加えて、テイクアウトや配達、通販など、店舗以外で提供可能な商品の案内をしているケースが多く見られます。施設型のビジネスでも、休業や営業時間変更などに加え、施設の清掃や消毒状況などコロナへの対応状況や施設利用時の注意点を詳細に伝えているようです。

 ECの分野では、Nintが発表した大手ECサイトの利用状況調査(PDF)を見てもわかる通り、利用者自体は急増していますが、入荷状況や配送遅延、利用している配達サービスの変更など、物理的な影響についての案内が多く見られます。

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この記事の著者

前田 考歩(マエダ タカホ)

「問いかけ・対話」と「構造化」でプロジェクト進行を支援する、平日早朝のみ開業の『プロジェクト・クリニック』を運営。プロジェクトを「管理」ではなく「編集」して進める方法として「プ譜」を考案。プ譜を使ったプロジェクトのコンサルティングや、企業及び小学生から大学生を対象に、プロジェクトを進めながら学んでいくPBL(Pro...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/07/20 08:00 https://markezine.jp/article/detail/33640

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