消費者目線でロングセラー商品の仕様も変更
 Q1:なぜ亀田の柿の種の比率を変更しようと考えたのでしょうか。
亀田の柿の種は発売から54周年を迎えるロングセラー商品になります。これまで40年以上柿の種6対ピーナッツ4という比率で販売させていただいておりましたが、「おつまみ」としての需要だけでなく、「おやつ」としての食シーンや、一緒に飲む飲料も変化して参りました。
そんな中、亀田の柿の種は今のお客様のニーズに合っているのかを疑問に思い、お客様の声を聞いてみようと、「私亀田を変えたいの。キャンペーン 当たり前を疑え!国民投票」を実施するに至りました。
結果、総数25万票以上もの投票をいただき、約30%を占める7万票を超える投票で「柿の種7対ピーナッツ3」が1位となったため、比率の変更に踏み出すことを決めました。
Q2:商品・サービス開発をする上で大事にしていること、またデジタル化が進む中で取り入れていることは?
当たり前のことではありますが、意識的にお客様視点で物事を考えるようにしています。商品や広告を見るとき、仕事柄どうしてもその背景や狙いを読み解こうとしてしまいがちです。もちろんそういった視点も必要ではありますが、難しく考えるのは業務時間内に留め、プライベートではもっと単純にいち消費者の目線で物事を考えるよう意識しています。
急速にデジタル化が進む中、個人的にも最新のガジェットには目が無く、近未来感のする商品やサービスはいち早く体験するようにしています。
実際に体験することで、技術のさらなる進化を夢想しながら、今後お客様がお菓子に求める本質的な価値が、デジタル化の広がりでどう変化して行くのかを考え、今後の広報活動にも活かせるようにしています。

亀田製菓株式会社 経営企画部
      コーポレートコミュニケーションチーム 池ノ上雄樹氏
      2009年、亀田製菓に入社し米菓の営業職として東京勤務。2012年に新規事業部へ異動。「主食米」「加工米飯」「乳酸菌」などの販売に従事した後、2018年にマーケティング部へ異動。「亀田の柿の種」「手塩屋」「うす焼」「技のこだ割り」などのブランドを担当。2020年、経営企画部へ異動、広報全般業務に従事。
新型コロナウイルスにおける社会貢献をヒントに
 Q1:アルコール77の開発背景は?
新型コロナウイルスの流行により、アルコール消毒液の不足が目立つようになってきた一方で、当社ではお酒の原料として醸造アルコール(エタノール)を当たり前のように、何千リットル、何万リットルという単位で使用しており、特に不足しているという状況ではございませんでした。
また、当社は2018年7月豪雨により被災し、関係各所からの様々なご支援を頂きながら復旧したこともあり、この状況の改善に少しでも寄与できればと考えました。酒類業界には潤沢にある醸造アルコールを様々な用途でご使用いただけるような形で提供できないか?と検討を行い、アルコール77の開発に至りました。
Q2:商品・サービス開発をする上で大事にしていること、またデジタル化が進む中で取り入れていることは?
当社では、2009年より「女性による女性のためのお酒づくりプロジェクト」と題し、一般消費者からの様々なご意見を取り入れながら女性スタッフのみで商品開発を行っております。消費者の方々の様々なニーズにお応えし、お客様が笑顔になっていただけるような楽しいお酒作りを行いたいと思っています。
デジタル化も、清酒の40年以上も続く消費低迷、酒販免許の緩和、災害による自粛など、様々な環境の変化の1つととらえ、社外においては、販売・仕入れチャネルの多様化に対して最大限の追従と活用を行い、社内においてはIoT技術などを取り込むことによる効率化、リモートワークなど様々な働き方に対する対応強化などを行っています。

菊水酒造株式会社 代表取締役 春田和城氏
      1999年、菊水酒造に入社。社内システム開発を担当し、その後、システムを通じた社内業務全般の管理を行う。楽しんでもらえるお酒作りをコンセプトに、様々な商品の製造開発を行い、2016年、代表取締役に就任。
