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Sansanの事業成長を押し上げた、創業期と拡大期のデータ戦略

データの人力管理をやめた拡大期

 各部署に散らばっているデータを自社内で統一し、取引先を法人単位で管理し社内にある情報を集約して効果的な営業活動を行うときに重要なのが、バラバラに管理されているデータに、統一の文字情報を付与することだ。

 人力で誤りなくデータ入力するのは難しいが、入力された内容に法人番号を付与すれば、情報の一元管理はたやすい。同社の提供する「Sansan Data Hub」などを使えば、あらゆるデータに法人番号・企業情報を付与して集約することができ、データを取引先企業ごとに管理することができるだろう。

 「私たちはたった3人のアカウント管理チームで、データ重複の削除や情報の統一を目視で行っていました。しかし、人力で行うと1日かけても500件しか処理できません。社内のデータが1,000件、2,000件くらいであればなんとかがんばれますが、10万件まで増えてくると、人力でのデータ管理は難しいでしょう」(柳生氏)

 そこで柳生氏らが行ったのは、Salesforce上の取引先情報に法人番号を付与して重複を排除し、各担当者がMarketoのデータ(リード)に、Salesforceで作成した法人番号を割り振っていくということだ。自社が持つあらゆるデータに対して、「Sansan Data Hub」から法人番号を割り振り、同じ法人番号を持つデータ同士を自動処理で関連付けた。

 その結果、獲得済みのリード数十万件のうち、約7割の法人番号を特定でき、データの最適化を実施できたという。残りの3割については、無意味なダミーデータや、法人情報の入力されていないフリーメールアドレスなど無効な情報が大部分を占めることがわかった。

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事業フェーズに合わせた適切なデータ戦略を

 このように取引先法人単位ごとに集約したデータベースを構築し、データ収集を効率化した同社は、データ件数が3倍に増加、商談件数を64%増やすことができた。またデータ集約後、機械学習自動化プラットフォーム「DataRobot」で機械学習モデルを作成し、自社特有のスコアリングを入力することで、どの企業がどれぐらい受注確度が高いか予測することも可能になったという。受注確度が高いという予測結果の出たアカウントについては、業種ごとにリスト化して社内の各部署へフィードバック、営業活動に活かしている。

 柳生氏は最後に「事業フェーズに合わせて、適切なデータ戦略を取ることがスムーズな事業拡大の鍵となります。創業期はデータの蓄積、拡大期はデータの集約と整理、受注確度の予測が重要です。自社の状態を俯瞰して捉え、最適なデータ戦略を取ることが、プラン通りの事業拡大につながります」と要点をまとめ、セッションを締めくくった。

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この記事の著者

石川 香苗子(イシカワ カナコ)

ライター。リクルートHRマーケティングで営業を経験したのちライターへ。IT、マーケティング、テレビなどが得意領域。詳細はこちらから(これまでの仕事をまとめてあります)。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2020/10/15 10:00 https://markezine.jp/article/detail/34304

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