動画広告の正しい評価を目指すアンファー
MZ:今回はスカルプDなどメンズブランドのマーケティングを担当するアンファーの池城さんと、様々なクライアントにおける動画広告のPDCAを支援するアルファアーキテクトのプロダクト領域を担当する伊藤さんに話をうかがいます。アンファーは元々動画広告に力を入れている印象なのですが、いかがでしょうか。
池城:動画の視聴環境が整うにつれて、動画広告に関しては優先度を上げて注力してきました。今後も5Gの開始などで動画広告の市場はさらに伸びていくと思っています。さらに、テレビCMと動画広告との境目もあいまいになっていくのではと考えています。
そうなったときに求められるのが、動画広告の良し悪しをきちんと評価できる仕組み作りです。動画市場が盛り上がっているから動画広告を配信するのではなく、弊社のビジネスにとって有効かどうかを判断できるような設計を意識するようにしています。
MZ:今回はアルファアーキテクトと動画広告を活用した施策に取り組んだとのことですが、なぜ同社をパートナーに選んだのでしょうか。
池城:より動画によるアプローチの幅を増やしたいというのがきっかけですね。元々YouTubeなどに動画広告を出稿している中で、もっと様々なメディアに出稿できればと考えており、アルファアーキテクト様が動画広告DSP「VeleT」を提供していたのでご相談しました。
また、アルファアーキテクト様は定量×定性による分析を駆使して動画広告の最適化を行える強みがあることも知っていたのが大きな理由ですね。
ミドルファネルから購買に近い人へのアプローチを実現
MZ:アルファアーキテクトの伊藤さんにうかがいますが、アンファーさんにはどのような取り組みを提案・支援してきたのでしょうか。
伊藤:元々は池城さんからのお話にあったように、定量×定性の分析による動画広告の最適化をご支援させていただいていました。こちらに関しても現在も取り組みを進めていますが、アンファー様とはさらに踏み込んだアプローチを実施しています。それが「VeleT for Search」というプロダクトです。
伊藤:これまで我々はMarkeZineの記事でもかねてからミドルファネルの重要性を訴えてきました(過去記事はこちら)。そして、多くの広告主様とご一緒する中で、ミドルファネルの領域の中でも「認知などのアッパーファネル寄りの施策がしたい」というニーズと「購買に近いローワーファネルの施策がしたい」というニーズとで分かれるケースが多く見受けられ、単純に「ミドルファネル」という一言では本質的なニーズに対して応えられていないと感じるようになりました。
そこで弊社は前者のような層を準ミドル、後者に近い層をミドルと分けて「VeleT for Brand」と「VeleT for Search」という2つのプロダクトを開発しました。今回の「VeleT for Search」は、動画広告を視聴したユーザーの検索行動を促すよりローワーに近いミドルファネル向けのプロダクトとなっています。
MZ:これまでアルファアーキテクトが提唱してきたミドルファネルを2つに分割したんですね。「VeleT for Search」では、どのように検索行動を促していくのでしょうか。
伊藤:まず、動画広告を視聴したユーザーの検索への寄与数を優先的に最適化します。加えて、リスティング広告からの獲得効率にどのように影響しているのか、そしてそれがデジタル広告施策全体の獲得件数と獲得効率にどう影響を与えているのか、という点も含めて試算を行い、PDCAの改善を行っていきます。
これまでも、動画広告内におけるPDCAを回し、最適化を図ることで最終的に広告主様のデジタルマーケティング寄与を目標としてまいりましたが、「VeleT for Search」では、試算からレポートに至るまでその数値目標まで落とし込んで、広告主様のデジタルマーケティング全体のスケールを目指しているのです。