YDNから運用型に変換する際のポイントは?
MZ:まだ運用型への変換が済んでいないという読者の方もいると思いますので、変換時に見直したいポイントがあれば教えてください。
矢吹:運用型に切り替える際におすすめしているのが、アカウントの見直しとアップグレードによる移行です。
元々のアカウントの入稿物やキャンペーンを一度コピーして、新たなアカウントに移行することもできるのですが、そうするとこれまでの学習(YDNの配信実績)が引き継げなくなってしまいます。そのため、元々あるアカウントを見直してアップグレードした形で移行を進めるのが、アルゴリズムの最適化を早めるためには重要です。
MZ:アカウントを見直す際は、どのようなことを意識すべきなのでしょうか。
矢吹:キャンペーン構造をKPI別でシンプルにすることですね。KPIが同じなのにキャンペーンが別で立てられていると、学習効率が落ちてしまうので。
2021年5月頃にはYDNが終了
MZ:現在もプラットフォームの統廃合を進めている最中かと思いますが、今後はどのようなスケジュールを予定しているのでしょうか。
矢吹:2020年11月25日にYDNの旧広告管理ツールでの新規キャンペーンの作成を停止し、2021年4月には新規広告グループ・広告の作成を停止する予定です。また、YDNも2021年5月頃を目安に提供終了を予定しています。2021年4月には予約型の正式配信が始まる予定です。
MZ:ありがとうございます。では最後に、今後の展望をお聞かせください。
矢吹:現在、今後の展望を3つ考えています。1つ目は、データの利活用の強化です。ヤフーは様々なサービスを提供しておりますが、まだまだデータを使いきれていません。プライバシーに配慮しながら、我々の保有するデータを広告最適化のシグナルとして活用し、配信の性能改善を進めたいです。
2つ目は、自動配信の強化です。現状は入札部分が自動化されているのみなので、今後はクリエイティブやターゲティングの自動化もサポートしていきたいです。また、自動入札に関しては、現在は目標CPAを設定いただいてそこに向けて最適化するようになっていますが、いずれは目標CPAを設定せずともコンバージョン数が最大化する自動入札を実現したいと考えています。
3つ目は、新たなソリューションの横展開です。新広告管理ツールは今後ディスプレイ広告を配信するための基盤です。この基盤を軸にして新たなソリューションも用意したいと考えています。
たとえば新サービスとして、一部の広告主様に対し、Yahoo!ショッピング内に広告枠を設けて、ストア様やメーカー様の商品が訴求できる機能を提供しています。
これからも新しくなったプラットフォームを通して、新たな価値やソリューションをお届けして参ります。
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※1 YDNと運用型の配信比較方法について
グラフの出典:ヤフー調べ
計測期間:静止画の2020/7/1~2020/07/31の実績と、前年同期(2019/7/1-2019/7/31)の実績を比較
計測対象:2020/7/1~2020/7/31において、75%以上の予算が移行完了し、
かつ2019/7/1~2019/7/31にも実績が発生しているアカウント
(極端にコンバージョン数の多い1アカウントを除く)
・すべての出稿に対して、効果を保証するものではありません。より良い掲載結果を得るためには、
コンバージョンタグの設置、コンバージョンデータの蓄積、アカウント構造をシンプルにして
データ分散を防ぐなどの工夫も必要です。
・CTVR:広告の表示回数(インプレッション)に対して、成果(コンバージョン)が発生した割合です。
クリック率(CTR)×コンバージョン率(CVR)で算出します。
・CPA:1コンバージョンあたりの獲得単価です。コストをコンバージョン数で割って算出します。