検討度合いの高い顧客を優先的にフォローする
自身も広告代理店でインハウスのマーケター経験があり、その際に使用していたMAツール「SATORI」で大きな成果を出し、惚れ込む形でSATORI社に転職したという徳井氏。ここからは、MAを活用して「商談を効率的に創出する6つのTIPS」を紹介していった。まず1つ目は、「イベントからの即時フォロー」。
展示会などのイベントで獲得した見込み顧客を即時フォローするのは、最も重要なことだ。競合も同じ顧客にアプローチしてくるため、埋もれないためにいち早くコンタクトを取りにいく。即時フォローをすることで、商談化率は5~6%程度見込めると言われている。
オンラインでの展示会の場合は、終了後に事務局から大量の顧客データが送られてくる。MAを導入している場合は、事前に御礼メール配信の準備をすれば、顧客情報をMAに登録後、自動でお礼メールの送信が可能だ。さらに配信後メールを開封した、メール内リンクをクリックしサイトに来てくれたといった行動履歴がわかるので、反応のあった顧客からフォローの優先順位をつけられる。来場者に対して優先順を付けずに電話をしていくという非効率な方法を取ると、検討度合いの高い顧客へのフォローが出遅れてしまうことにもなりかねない。
また、MAではサイトのどのページを閲覧しているのか、どんな資料をダウンロードしているのかといった行動履歴を商談前に確認できる。そのため顧客の興味関心をあらかじめ把握した上で、商談時に顧客の興味関心にあった内容で提案が可能だ。
商談化率10倍!検討度合いが高まっている顧客にコンタクトをする
2つ目のTIPSは、「Webサイトによる興味関心の高まった顧客のあぶり出し」だ。自社サイトの中にある、今まさに購買検討をしている顧客が見るコンテンツ「キラーコンテンツ」を見ている人がいた場合、MAで通知を飛ばし、リアルタイムに電話などのアプローチができるのだ。
キラーコンテンツが何になるかは、業種や会社によってそれぞれだ。契約にいたった顧客のオンラインでの行動履歴をMAで把握できるため、そこから仮説を立て契約前の顧客が欲しいコンテンツは何かを調査をしていくとわかるだろう。SATORIの場合は、「料金ページ」「事例ページ」「他社との比較ページ」をキラーコンテンツとしていて、この3つを見た顧客に連絡をすると、高確率で商談が獲得でき、その後の受注率も高い。あるIT企業では、他社との比較コンテンツを見ている顧客に絞ってアプローチしてみたところ、商談化率が10倍にも跳ね上がったという例もある。
顧客の見込み度合いをランクづけする
3つ目のTIPSは、「ウェビナーのアンケート活用」。ウェビナー終了後に行うアンケートをMAで活用することによって、商談獲得につなげることができる。アンケートの回答内容を元に参加者の興味関心度合いをランク分けしていく。
たとえばSATORIの場合、「マーケティングオートメーションの検討状況について教えてください」という質問の回答が、情報収集中、導入検討中、MAのリプレイス検討中といった受注確率の高そうなものをAランク、「既にMAツールを導入済み」をBランク、「導入の予定なし」をCランクとしている。
お礼メールの内容や送る資料をランクごとに分け、さらにダウンロードなどのリアクションを営業担当に通知してくれるといったシナリオ機能を使えば、自動でランク別にアプローチすることができる。検討度合いの低い顧客も、自動で顧客育成ができるようなシナリオを作ることで、興味関心を醸成していくことも可能だ。