たった12クリックで、施策に必要なデータ準備が完了
続いて、A社が具体的に「b→dash」を活用していくプロセスが共有された。
「b→dash」では、機能を提供するだけでなく、大薮氏らカスタマーサクセス担当者がその活用も支援している。今回もデータ準備から施策の実行、モニタリングまで、LTVを伸ばすというA社のゴール達成をサポートした。
まず、データ準備では「b→dash」の加工・統合テンプレートを活用した。大薮氏が例に挙げたのは、「併せ買い商品おすすめシナリオ」のテンプレートだ。テンプレート内に必要なデータが設計されているため、担当者はツールの案内に沿ってデータを選択していけばよい。「『b→dash』には、このようなテンプレートが約250種類用意されています。画面をクリックしていくだけで加工・統合が可能です」と大薮氏。
また、施策対象者のセグメントも簡単に設定できる。前出のテンプレートに沿ってデータを準備した後、セグメント機能に付随する「併せ買い商品おすすめ」テンプレートを選択。このテンプレートにも施策に最適な抽出条件が設計されており、案内に沿ってデータを選んでいく。この時、セグメント条件のチューニングが可能だ。
「併せ買い商品おすすめシナリオ」の選択からセグメントを設定するところまで、およそ12クリック。あとは、施策のシナリオに沿って、メールやLINE配信、ポップアップを表示させればよい。コンセプト通り、「ノーコードとAll in One」でA社が抱えていた2つの課題は解決した。
複雑なMAシナリオもテンプレートの選択で簡単に実行
ここからは、「b→dash」を活用した施策の実行と、そのモニタリングが語られた。
改めて、A社が計画していた施策を振り返ろう。
施策の目的は、既存顧客のLTVを伸ばすこと。施策の方針は、購入単価の向上と購入回数の増加の2点。そして、4つの施策があった。
まず、購入単価向上の施策は次の2つ。
クロスチャネル訴求では、過去に購入した商品の上位商品を「おすすめ商品」としてコンテンツ化して配信した。「訴求の対象は商品購入者です。メール配信のタイミングは、EC購入後に商品が届き、利用して実感を得る14日後を想定しました」と大薮氏。
メール配信後、一定の待機期間を置き、開封の有無をチェック。この時、メールを開封したが未購入の顧客には、続いて「最近購入した商品に関連する商品」を勧めるメールを配信。再び待機後、メール開封・未購入の顧客に最終的なプッシュとしてクーポンを配布した。
大薮氏は、「母集団を絞り込んでクーポンを配布すると、無駄のない予算投資ができます」と話す。
一方、メール未開封の顧客には、LINEでメッセージを配信。ここでも過去の購入商品を参考に上位商品や関連商品を勧め、購入の有無を見ながら、未購入の顧客にはクーポンを配布した。
このような複雑なシナリオも「b→dash」にはMAテンプレートとして用意されている。分岐設定なども盛り込まれているため、担当者はコンテンツを差し替えるだけで理想のコミュニケーションを実行できる。