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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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定期誌『MarkeZine』特集

早さや値段で競わない。「映え」の概念も進化 Z世代の新しい消費意欲

 デジタルネイティブとして知られるZ世代。ゆとり世代との比較から見えてくる新しい価値観とは。彼らの消費意欲を的確に捉え、マーケティングやコミュニケーションに活かすポイントは。長きにわたり若者研究を続けているマーケティングアナリストの原田曜平氏にうかがった。

※本記事は、2021年4月25日刊行の定期誌『MarkeZine』64号に掲載したものです。

更新されなかった日本の若者像

原田曜平(はらだ・ようへい)氏

1977年東京都生まれ。慶応義塾大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーなどを経て、現在はマーケティングアナリスト。2003年度JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。2002年から現在に至るまで1万人を超える若者(大学生・社会人)と活動を共にしている。若者研究の第一人者であり、「マイルドヤンキー」「さとり世代」「伊達マスク」「女子力男子」「ママっ子男子」など、若者消費を象徴するキーワードを世に広めた。著書に『近頃の若者はなぜダメなのか』(光文社新書)、『さとり世代』(角川oneテーマ21)、『ヤンキー経済』(幻冬舎新書)、『平成トレンド史』(角川新書)などがある。テレビ出演多数。

――Z世代とはどの世代を指し、ビジネス・マーケティングにおいて注目が集まり始めたのは、いつ頃からだったのでしょうか?

 「Z世代」は欧米諸国でのX世代(GenerationX)、Y世代(Generation Y)に続く世代という意味合いで使われています。明確な定義はありませんが、概ね1990年代中盤(もしくは2000年代序盤)以降に生まれた世代を指すとされています。

 私は海外でも若者調査を行っていますが、欧米諸国では少なくとも5、6年前からGeneration Zという言葉とともに、彼らの新しい価値観を理解しようとする動きが見られていました。一方日本では、若者を表す言葉が話題に上ることはなく、「ゆとり」「若者の○○離れ」といった若者像が長く更新されないままになっていました(図表1)。

図表1 日本の世代論とZ世代(『Z世代若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』(光文社新書)p.18より転載)
図表1 日本の世代論とZ世代(『Z世代若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』(光文社新書)p.18より転載)(タップで画像拡大)

 この温度差は、若年層の人口ボリュームの違いに起因します。欧米諸国では移民・難民の影響もあり、Z世代の人口は他の世代に比べて多いのですが、日本では少子化が進行し、若年層のボリュームは減り続けています。

 しかしながらここ1年ほどで、日本でもZ世代への関心が高まっています。日経新聞やプレジデントなど、複数のビジネス誌でZ世代の特集が組まれるようになりましたし、Z会グループが「Z世代のキミに。」と呼び掛けるCMを放映したり、フジテレビ『バイキングMORE』が「クイズ!Z世代の常識コレ知らないのしんどくない?」とZ世代をタイトルに据えた企画を開始するなど、新しい動きが見られます。

――なぜ潮目が変わったのでしょうか。若者軽視の風潮からの揺り戻しもありますが、Z世代が持つ新しい価値観と、それに紐付く消費意欲に注目が集まっていることが大きいと思います。確かにゆとり世代が若い頃と比べると、日々生み出されるトレンドの量は非常に多くなっています。

 では、なぜZ世代が消費に対して積極的なのか。まず、景気や雇用状況の違いが挙げられます。平成不況によって消費離れを起こし、その一部は第二次就職氷河期も経験しているゆとり世代に対しZ世代はアベノミクス景気・超売り手市場の中で育ってきました。

 加えて、その世代がどんなデジタルツールに囲まれてきたかということも、消費スタンスに少なからず影響します。Z世代が中心的に使っているInstagramのような発信型のSNSは、「私も○○が欲しい!」「私も○○をやってみたい!」といった気持ちが刺激されやすい。一方、ゆとり世代が親しんできたmixiのようなSNSは発信よりも人間関係を構築するツールとして使われており、消費につながる情報収集はあまり行われていませんでした。

 ただ強調しておきたいのは、世代の特徴を問わず、マーケティングにおいて若者を注視し続けることは非常に重要だということです。若い頃に作られた習慣、若い頃にブランドに抱いたイメージは、中高年になって突然変わるものではありません。早いうちから「未来のお客さん」の研究を進め、その世代を掴んでいくべきです。

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MarkeZine(マーケジン)
2021/04/26 08:09 https://markezine.jp/article/detail/36100

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