あらゆる接点から、顧客の声を見つけよう
終わりに、多数寄せられた質問の中から、2つ取り上げる。1つ目は、「MOON-Xユーザーのサクセスと、ロイヤルの定義」だ。長谷川氏は、ブランド体験や使用体験の満足度が反映する継続率はシビアに見ているものの、人によってペースが異なる消費量や利用頻度にはあまりこだわらないと答えた。「スキンケアも、配送頻度をすぐに変更できるように設計し、ユーザーのライフスタイルにMOON-Xのブランドが溶け込み、価値を感じられているかが一番大切」(長谷川氏)。
2つ目の質問は、「言葉に表れない顧客からのシグナル」についてだ。商品フィードバックは、電話やEメール、SNSなどで受け付けているが、長谷川氏らはテキストなどの言葉の中には出てこないシグナルを、顧客行動からフィードバックとして受け取っているという。たとえば、定期購入のSKIN Xの場合、ユーザーがマイページにログインし、配送頻度の変更を行う行動は、大きなシグナルだ。「商品自体は気に入っており、継続的に使いたい気持ちがある。一方で、使用量と届く量にギャップを感じているのではないか?」と仮説が立てられる。そこから、ユーザーコミュニケーションや内容量の見直しを検討していく。
また、CRAFT Xでは、カスタマーサポートに届く「ギフトとして送りたい」「熨斗は対応しているか?」などの問い合わせから、ギフト需要を感知し、商品化につなげていたという。「インタビューやアンケートから直接届く要望、フィードバックだけではなく、お客様とのタッチポイントすべてで得られる情報から、利用状況や声をくみ取り、改良へ活かすことができます」(長谷川氏)。体験を交えて、共創への理解が深まったウェビナーとなった。