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特集:TikTok×マーケティングの最前線

「TikTok売れ」はなぜ起きる?メカニズムと意図的に生み出すアプローチを探る

企業が使える2つのアプローチ

──企業がTikTok売れを意図的に生み出すことはできるのでしょうか?

駒﨑:前提として、意図的にスマッシュヒットを出すのはなかなか難しいので、いかに打率を上げるかにフォーカスしていくと良いと思います。打率を上げるアプローチとしては、大きく3つあります。ひとつめは、当たり前ですが、まずはTikTokに動画を上げること。この動画は、最初はテレビCMなどで使っていた素材をそのまま使う形でも大丈夫です。先程も述べたように、TikTokは「おすすめ視聴」をするユーザーが多いのが特徴ですので、動画をアップすることで出会いのきっかけを増やすことができます。

 2つめは、「広告とクリエイターを活用した、フルファネルでのアプローチ」。これはファネルによって広告と、クリエイターによる第三者視点での商品紹介を使い分けていく方法です。

 たとえばある化粧品メーカーでは、キービジュアルをブランドの世界観がわかるものに設定。そこからユーザーが自分ゴト化したり、もう一歩商品理解を進めてくれるように、複数のクリエイターをアサインし、商品の魅力や使い方を発信してもらいました。その上で、最後に店頭誘導のクリエイティブを出してクロージング。このようにマーケティングファネルに合わせて使い分けていくことで、最終的にブランドリフトと売上までつながっています。

 もう1つは、「トレンドの芽を捉え、広告で増幅するアプローチ」。トレンドはユーザーに受け入れられやすい傾向にありますので、日々TikTokで生まれるトレンドをキャッチして発信に活かす方法です。

 こちらはゲーム会社のセガ様のケースが参考になります。当時TikTokで「画面上で素早く動くものを指で止めるゲーム」が流行っていました。同社はそれを応用して、セガの人気キャラクター「ソニック」を止めるゲームを制作し、話題に。さらに広告でも訴求することで、この話題はさらにブーストされました。

 視聴数は200万近くとなり、コメントやシェア数も多かったですし、フォロワーの増加にもつながりました。結果として、2年弱で40万近くのフォロワー数を獲得。ゲーム自体はシンプルな発想ですが、こういったトレンドをしっかりキャッチしていくことで、ユーザーの反応は高まり、ファンも育成されていきます。

セガの事例
セガの事例(クリックすると拡大します)

ファネルごとに最適な広告プロダクトを活用

──どちらも「広告」が鍵となりますが、現在TikTokではどのような広告プロダクトを提供しているのでしょうか。全体像と、特に「TikTok売れ」という切り口でおすすめのプロダクトがあれば教えてください。

林:まず認知や興味関心を持ってもらうアッパーファネルの広告ソリューションでは、TopView(TikTokアプリを立ち上げて最初に出てくるフルスクリーンの広告)と、Branding Infeedと呼んでいる「Reach&Frequency」「BrandAuction」とうインフィード広告があり、リーチや動画視聴数などの設定によって最適化が可能です。

 それに加え、コンテンツタイプの広告ソリューションである「ハッシュタグチャレンジ」「ブランドエフェクト」などがあります。また、「ブランドミッション(TikTok Branded Mission)」という、ハッシュタグチャレンジを包含した新しい広告プロダクトの提供を開始しました。これはより「共創」に重きを置いた、ユーザーやクリエイターとコラボレーションする形となっており、動画がおすすめフィードでブーストされるというクリエイターの投稿モチベーションになるインセンティブを提供します。

 またクリエイターのオーガニック動画を広告として活用することのできる「Spark Ads」も、TikTokにおいては重要な広告フォーマットで、これまで多くの広告主や代理店からお問い合わせいただいています。「Spark Ads」をBranding Infeedである「Reach&Frequency」「Brand Auction」という広告ソリューションで活用いただくことで、TikTok売れにつながる、貢献できると考えております。

稲垣:TikTok for Businessは、上記のようなアッパーファネルへの配信だけでなく、いわゆるダイレクトレスポンス型のオークション広告メニューも活発にご活用いただいています。ウェブサイト内での購入アクションに対して配信最適化が可能なコンバージョン目的での配信では、購入単価やROAS(広告費用対効果)の目標に対して直接自動入札を行う機能などで、TikTok売れにつなげています。

クリックすると拡大します

稲垣:広告の自動最適化機能や広告成果を正しく計測するソリューションなどを提供することでTikTok売れのサポートをさせていただきつつ、クライアント様によっては、動画広告クリエイティブの作成の部分で難しさを感じている会社様もいらっしゃるのも事実です。

 昨今のTikTokユーザーが投稿される動画は、最新のデバイスで撮影、また丁寧に編集されたアトラクティブなコンテンツが増えてきています。実際の広告配信ではそれらのコンテンツに混ざって広告表示されますので、動画広告クリエイティブの状態が重要になってきます。

 そこで、気軽にTikTok for Businessのオークション広告を開始できるよう、弊社では動画広告クリエイティブの作成をサポートする機能を数多くリリースしており、既に活用が進んでいます。たとえば、横型の既存の動画素材を縦型に自動的に編集できるツールや、画像を活用して動画に加工する機能、また、商用利用可能な4,000以上の楽曲の提供など、TikTok売れに繋げるためのオーガニック性の高い広告クリエイティブをシームレスに広告運用担当者が作成できるソリューションの提供を通して、広告効果を高める支援をさせていただいています。

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TikTokの最大の魅力はブランドとの「出会い方」

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/07/25 09:30 https://markezine.jp/article/detail/39461

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