ゲーム×ログを組み合わせた新感覚の位置情報ゲーム
──はじめに、みなさんの担当業務を教えてください。
今泉:モバイルファクトリーの今泉です。モバイルサービス事業部にて、アシスタントゼネラルマネージャーをしています。位置情報連動型ゲーム「ステーションメモリーズ!(略称:駅メモ!)」ではエンゲージメントチームのマネージャーとしてプロモーションを担当。広告宣伝費の予算を含めた方向性や方針を決め、日々の管理をしています。
林:同じくモバイルファクトリーの林です。私はモバイルサービス事業部にて、駅メモ!のデジタル広告全般の運用とディレクションおよび分析を担当しています。
須藤:UNICORN社の須藤と申します。当社は、全自動化マーケティングプラットフォーム「UNICORN」を提供しています。私は主にコンサルタントとして、お客様のプロモーションのサポートをしています。モバイルファクトリー様では、駅メモ!のApple Search Ads (以下、ASA)についてソリューションの提案をしています。
横山:須藤と同じくコンサルタントチームに所属している横山です。私はASAキャンペーンの運用から、サービス・プロダクト改善などに携わっています。
──改めて駅メモ!のサービスや特徴をご説明いただけますか。
今泉:駅メモ!は、全国に9,000以上ある鉄道駅を対象にした位置ゲームです。パートナーキャラの「でんこ」を育成したり、駅にいる他のユーザーさんと陣取りゲームをしたりして遊びます。ゲームでありつつ、ログ機能を活用して移動履歴が残せるので、お出かけのログツール的な要素もあります。
ユーザー属性は、男性が比較的多く、旅行や電車好きの方に多く楽しんでいただいております。
自社に運用担当を置くモバイルファクトリー
──現在のアプリマーケティング全体について昨今の流れや変化をどのようにお考えですか。
今泉:アプリマーケティングは、日々新しいプロダクトが出てきており、また個人情報の観点から、今までの手法が通用しなくなってきています。
測定結果の管理も、私達には見えない範囲でじわじわと影響が出てきているように思います。見えてきている変化は、この3年ほどでiOSのオプトインの影響からか、AndroidのCPIも少しずつ高くなってきている影響なども出てきています。
──次に、駅メモ!のデジタルマーケティング戦略についてお伺いできますか。
今泉:戦略というより、地道に新しい出稿先を探しては効果に応じてチューニングし、効果が見合わなければどんどん次の媒体にチャレンジしています。
当社の駅メモ!は8周年を迎えるロングタイトルです。ですから同じ方法だけではユーザーを獲得しきれないこともあり、時流に合わせて獲得の仕方を常に考えていかなくてはいけません。ウェブ広告はこの8年間でかなり網羅しており、しっかりと効果測定をしながらトライアンドエラーを繰り返して出稿しています。
──目的は新規ユーザーの獲得でしょうか。
今泉:現在の方針としては、新規と復帰ユーザーの獲得を中心にしています。イベントやキャンペーンなど新しい取り組みの際には、それ用のクリエイティブを準備して、もう一度興味を持っていただけるよう取り組んでいます。
Apple Search Adsはキーワード設定がカギ
──ASA活用のきっかけを教えてください。
林:2018年のリリース当初から運用しています。ASAはApp Store内における広告なので、「安心して出稿できる、不正のないクリーンなメディア」というのが最初の印象です。私は運用者として不正広告とは向き合ってきたので今までのアプリ広告とは一線を画する感じがしました。
App Storeに表示される広告なので、何かしらのアプリインストールを検討している方が多いです。ですからiOSにおける獲得の要になると、社内でも十分に説得力のある媒体でした。
──ASAに注力された理由を教えてください。
林:他の広告媒体も含めて、当社は基本的にインハウスで広告運用しています。中でもASAは、インストールの確度が高いユーザーに対してプロモーションできる、重要な広告と位置付けており、プライオリティの高い媒体です。検索広告であれば大手2社の広告があるように、iOSではASAを押さえることが必要だと考えています。
質の良いユーザーに向けて配信できる場所なので、積極的にリーチ拡大と安定獲得が重要です。しかし社内リソースですと、運用スピードが出せていなかったのが課題でした。また、キーワードの発掘に膨大な時間がかかっていました。そんな中、注目したのがUNICORNさんの機械学習でした。
今泉:ASAのSearch results広告はキーワード単位での検索連動なので、獲得には効率の良いキーワードの選定が重要です。非ブランドワードの拡大は人力では難しく、途方もない作業が発生します。長年の経験だけでは限界があると考え、導入を決めました。
人の手には負えない数の調整を機械学習で完全自動化
──モバイルファクトリーさんの課題を受けて、UNICORNさんはどのような提案をされたのですか。
須藤:ASAの特徴的なのは、入札、ターゲティングにおいて非常に細かく設定できるところです。
たとえば1つのキーワードでも、20代男性における夜の時間帯と、40代女性における昼の時間帯ではクリック率などが違います。ASAの入札調整は、キーワード・セグメント・日時指定の掛け合わせで決まります。設定を細かく分けて運用し、新たなキーワードを模索し続けて、調整を行えば効果を出すことができますが、人力で調整し続けるには限度があります。
横山:UNICORNにおけるASAキャンペーンのユーザー属性の切り分けは100以上あり、そこに設定しているキーワードとの掛け合わせにより、数万から数十万通りのパターンで入札調整をかけています。我々は、そのような人の手には負えない数の調整業務を機械学習と独自の最適化ロジックを用いて完全自動化し、24時間365日行っています。
モバイルファクトリーさんの非ブランドワードの拡大に関する課題に対し、常に新規のキーワードを探索し、買い付けから入札調整までも行っていく当社の仕組みが、課題解決に向けて貢献できるのではないかと思いました。
──とても膨大な設定ができるのですね。
林:そうですね。また継続的に新規ユーザーを獲得するために、キーワードを模索していくことも重要なポイントです。
新しいキーワードの発掘は本当に苦戦を強いられましたね。自社運用の頃にASAの検索マッチ機能を使用しながら発掘していましたが、それだけでは限界を感じていました。
横山:検索マッチ機能は、Appleが独自で推奨キーワードをピックアップして、自動的に配信してくれるシステムです。
UNICORNでは、検索マッチ機能も活用しつつ、独自でキーワードの自動収集、自動買い付けを行います。そのうえで、完全一致および部分一致のいずれの場合も、キーワード単位の効果を見ながら、目標CPIと照らし合わせて適切な入札単価調整を自動で行っていくので、CPIのパフォーマンスを保ちつつ、非ブランドワードの拡大が可能となっています。
全体の獲得数が3倍に
──導入後の成果を教えてください。
今泉: UNICORNさんには2021年3月からご協力いただいています。
自社のみで回していたときと比較すると、ブランドワードと非ブランドワードを両方合わせて、全体の獲得数が3倍以上に増えており、目標CPIの中で獲得できています。ブランドワードでもCPIが下がっており、1年以上かけたチューニング成果が数字に出ていますね。
林:UNICORNさんが当社の運用方針に対してアジャストしてくれています。
入札や非ブランドワードの発掘をしなくて良いので、UNICORNを導入以来、実際に手を動かす時間は、全体時間もレポートを見て連絡するくらいです。工数は今までの10分の1ほどでしょうか。その分、戦略を考えるなど、他に時間を割けています。
須藤:元々お持ちだった拡張ニーズに合わせて、キーワードの拡張をUNICORNの自動収集&拡張機能を用いて行いました。移動にともなうゲームサービスなので、キーワード拡張のためにユーザーの動向や行動について、人力の部分である我々の知見や情報も投入しました。
結果的に、お出かけなどに関連した情報を調べるためのビックワードを次の獲得源となるキーワードとして増やすことができ、今や獲得の中心になりつつあります。
横山:旅行関連のキーワードなどでも獲得できており、旅行をする方の移動のお供にサービスを使ってもらえるのは新たな広がりを感じます。駅メモ!のサービスは、一般的なRPGなどのゲームタイトルとは属性が異なります。まとまった獲得ができるキーワードはどうしても限りがありますが、単体での獲得数は少ないようなキーワードもロングテールで広げていくことで継続的に獲得数を確保できています。
林:ロングテールの発想で配信して獲得を安定させるのは、UNICORNさんの機械学習で成果を感じ取れた部分です。
今泉:また、コロナ禍により、位置情報ゲームを運営する当社は非常に影響を受けました。人力では世の中の変化に合わせた運用をしきれていなかったと思います。IDFA問題も含め、ASAを拡大させたいタイミングでUNICORNさんにご依頼でき、両方の意味で良かったですね。
潜在的なユーザーへのアプローチを横展開
──今後の展望をお聞かせください。
今泉:おかげさまで、サービスとしては長寿タイトルになりつつあります。しかしまだ駅メモ!をご存知ない方もいらっしゃいます。今後も潜在的な未認知層にリーチできるプロモーション手法は探し続けていきたいですね。世の中が落ち着き、移動の楽しみが再開する時期に向けて、プロモーションを今後もチューニングしていきます。
林:運用面ではASAの効果継続ですね。これからまたUNICORNの機械学習やASA自体のアップデートもあると思うので、後れを取らないように運用していきます。UNICORNさんの支援を受けて、ASAの際に、機械学習で見つけた新しい訴求や、潜在的なユーザーへのアプローチを、ASOやディスプレイなど他の広告にも横展開したいです。
須藤:我々は元々ディスプレイ広告を手掛けているのですが、その結果や情報からASA配信に生かすなど、総合的に良い形にしたいですね。ソリューションのアップデートも検討しています。
横山:ASAとASO分野の連動は引き続き模索していきたいと考えております。ASO自体の重要性が増してきている中で、ASAとASOを連動させつつ、App Storeをフルに活用したiOSアプリのマーケティングに取り組まれるマーケターさんが増えてきている印象ですので、その点においても弊社のソリューションが貢献できる部分を増やしていきたいです。
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UNICORNの全自動運用の仕組みと最適化のアルゴリズムを応用させた「Apple Search Ads の自動最適化エンジン」を活用し、Apple Search Ads への配信・運用を行なっております。本記事でUNICORN ASAに興味を持たれた方は、「Apple Search Adsの自動最適化エンジン」も参考にしてみてください! サービスのお問い合わせはこちらから。