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特集:ターゲティングが嫌われる時代のシン・ターゲティング

あえてターゲティングしない。誰をも受け入れる「インクルーシブ・マーケティング」が事業成長を促す

SDGsの気運が高まる今だからこそ、経営としてのインクルーシブ・マーケティングに取り組める

──「インクルーシブ・マーケティング」の発表から5年が経ちました。この5年間で感じられている変化などがあれば教えてください。

林:まず一つ、SDGsが広まったことは大きいですね。SDGsのうち半分以上は「人」に絡むところなので、その意味で理解はしやすくなっていて、いろいろな企業においてSDGsはCSRではなく本業として取り組むべきだろうという意識が高まってきました。そのため、経営直轄でサステナビリティ推進チームが企業で立ち上がっていて、統合的な管理もしやすくなっていると思います。

 ──そうした変化を受けて、企業は今後どのような取り組みを行っていくとよいのか、読者へのアドバイスをお願いします。

林:基本的にはすべての企業は、なんらかの社会課題を解決するために作られています。ところがいつの間にか、本業は儲けるために行うもので、社会課題への取り組みはCSRで、というイメージになってしまっています。だから今の時代の潮流は、むしろ本当の意味での企業価値に戻ってきた感覚です。

 日本人は社会的活動をビジネスとつなげ、利益を出すことを否定してしまいがちです。ただ、弊社ではBtoBtoSという言い方をしますが、BtoBを通じてソーシャル、つまり社会への価値提供を目指しています。企業が世の中に求められていることはなんだろうと、再設定し、強化していく。

 CSR=コーポレート(企業)・ソーシャル(社会)・レスポンシビリティ(返答可能性)。つまり、「企業が、社会に対して、何を答えられるか」という意味です。それって、本業のことですよね。

 だから、自分たちが他企業よりも数倍、価値を提供できる部分を信じて、堂々とビジネスを通してやっていけばいいと思うのです。社会課題解決のエンジンとして、やはりマーケティングが必要。だからそれを、世の中が必要とするものに変えていくことが大切です。ターゲティングが嫌われているのならば、社会が求めるマーケティングをしていかないといけません。

 もちろんマス・マーケティングやデジタルを活用したOne to Oneコミュニケーションもないと、多様性に対応できません。そのためインクルーシブ・マーケティングは、手法というよりは、概念やフィロソフィーとして活用していくといいと思います。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/08/26 08:30 https://markezine.jp/article/detail/39757

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