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【特集】Web3、メタバース、NFT──最新技術がマーケティングに及ぼす影響

メタバースで消費行動・ビジネスはどう変わる?仮想空間で問われる「サービスの本質的な価値」

「サービスの本質的な価値」が問われる時代がやってくる

──日常的な行動の一部にメタバース体験が入ってくるとなると消費行動も変わってきますね。

波多間:メタバース体験を高めたいとか、メタバース空間で何かを所有したい、着飾りたいという欲求にお金を使うようになるのはそれほど遠くないと思います。

 デジタル空間では触覚も味覚も嗅覚もないので、物理的なモノを販売することはできないかもしれませんが「本質的な欲求を満たす価値をいかにデジタルで作るか」が問われる時代がやってくるかもしれません。

 ビジネスの根源が「人の欲求を満たすためのサービスやモノを売る」というものであれば、メタバース空間でのビジネスは成り立つのではないかと思いますし、そういった部分でメタバースをうまく利用するという姿勢はこれからの時代に求められてくると思います。

──メタバースで新たな価値が生まれるという視点は、とてもおもしろいです。

波多間:100万円もする高級ブランドのバッグや数千万円の高級車を購入するという行為は、単に「荷物を入れるための道具」「移動のための道具」を買う以外の何かを購入していると思うんです。それはたとえば自分の満足感だったり、承認欲求を満たしたりすることかもしれません。メタバース空間であれば原料は関係ないので、難しい挑戦になりますが欲求を満たすためのサービスを作ることはできると思います。今までの常識が通用しない、サービスの本質的な価値をどう作るかがポイントですね。

──そのなかでビジネスチャンスをつかむために企業が今できることはなんでしょうか。

波多間:正直にいえば、現状では投資に対してリターンはそれほどありません。ただし経験を積まないと先に進めないので、新しいビジネスモデルを作るという強い意志のある企業の方であれば、信念を持って今のうちから仮説検証を進めたらいいと思います。

 普通の企業であれば、大金を投資してメタバース空間を作る必要はありません。ただ普段からマーケティングの選択肢の1つにメタバースがあるということは念頭に置いておいたほうがいいでしょう。

 Webの世界で見ても、ホームページが登場してからECができてオンライン商談ができるようになり、デジタルマーケティングが主流になるなど進化を続けてきました。メタバースも同じように、各社このテクノロジーに乗る瞬間の波というのが必ず来るはずなので、その瞬間を見逃さないようにアンテナを張っておくことは必要だと思います。

 お勧めは採用や研修で一度メタバースを利用してみること。当社でも地方の企業と学生を結びつける取り組みを実施したことがあるのですが、そういったものでメタバースの感覚を実体験してみるのも一手です。失敗しても致命傷にならないですし、一度それでメタバースの運営を体験してみるのもお勧めです。

押さえておきたいメタバース関連キーワード

NFT

Non-Fungible-Tokenの略で、直訳では非代替性トークンと呼ばれる。イーサリアムなどのブロックチェーンの仕組みを活用して、個々のデジタルデータに識別可能なコードを付与することで、デジタルデータを固有のものとして判別できる。Web3ブロックチェーンの技術を活用した、インターネット上の新しい分散型の世界のこと。アバター自分自身の分身となるキャラクターのこと。

Web3

ブロックチェーンの技術を活用した、インターネット上の新しい分散型の世界のこと。

アバター

自分自身の分身となるキャラクターのこと。

イーサリアム

スマートコントラクトという特殊な機能を備えたプラットフォームを指す。イーサリアムのプラットフォーム上で、分散型アプリケーションを構築・稼働させ、いつ、誰が、誰に、いくら支払ったかなど、暗号資産の基本取引情報と、様々なアプリケーションプログラムの記録・実行ができる。

仮想空間

物理的には存在しない仮想上の空間のこと。バーチャルリアリティコンピュータで作られた現実同様の世界のこと。ブロックチェーン取引履歴をブロックという単位で管理して、暗号技術によって過去から1本の鎖(チェーン)のように連結の形で記録することで、正確な取引履歴を維持しようとする技術。

バーチャルリアリティ

コンピュータで作られた現実同様の世界のこと。

ブロックチェーン

取引履歴をブロックという単位で管理して、暗号技術によって過去から1本の鎖(チェーン)のように連結の形で記録することで、正確な取引履歴を維持しようとする技術。

出典:『図解まるわかりメタバースのしくみ』(翔泳社)

『図解まるわかり メタバースのしくみ』 波多間俊之 著 翔泳社
『図解まるわかり メタバースのしくみ』 波多間俊之 著 翔泳社

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2022/11/29 09:30 https://markezine.jp/article/detail/40647

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