潜在顧客にリーチできる「Pinterestアド」とは
MZ:Pinterestは2022年6月より日本でも広告事業を開始しました。この「Pinterestアド」について教えてください。
石井:Pinterestの強みとして、意欲的なユーザーが多いため購入などのアクションにつながりやすい点や、ユーザーの好みを機械学習していく点、似た画像を認識するコンピュータービジョンによって適切な広告を表示できる精度の高さが挙げられます。新しいアイデアに挑戦することに前向きなユーザーが多いため、企業にとっては潜在顧客に効果的にリーチしてエンゲージメントを築き、販売促進につなげる機会として活用できることがメリットです。
広告メニューは主に「画像ピン」という静止画タイプのもの、複数の画像を含めた「コレクション」機能、ショッピングアド、ビデオフォーマットがあります。Pinterest ではショッピング広告のソリューションにも力を入れており、中でも「Pinterestカタログ」というデータフィードを利用した「ショッピングアド」と最近導入された「アイデアアド(クリエイターとのタイアップコンテンツを広告配信できるフォーマット)」は特徴的な広告です。
石井:広告主は、カタログフィード機能を使って簡単に商品カタログ全体を、Pinterestのプロダクトピンに変換することができます。プロダクトピンには、商品画像や価格、在庫状況が表示され、Pinterest上で簡単、そしてクイックにショッピング広告を配信することが可能となります。
なぜPinterestユーザーは、広告にポジティブなのか?
MZ:Pinterestアドは、ユーザーにどのように捉えられているのでしょうか。
石井:購入意欲の高い意思決定前のユーザーは、Pinterest上の広告を検討に役立つアイデアの一つとして捉えています。SNSなどインターネットで友人と交流する場合や、ニュースを読みたい場合には広告が不要だと思うユーザーも多い中、Pinterest ユーザーは「商品購入前のアイデア探し」という目的で利用している傾向が高いです。そのため、商品やサービスについての広告もポジティブに捉えます。
実際に、購入前にインスピレーションを得るためにPinterestを利用したことがある日本のユーザーは89%にのぼります。さらに「普段オンライン広告をクリックする」と回答したユーザーは45%で、これは他プラットフォームと比較して1.4倍となります(2021年ビデオリサーチ社 ACR/ex調査より)。
MZ:なるほど。ユーザーの利用目的が大きく影響しているのですね。
石井:Pinterestの検索上位の97%は、アイデアを検索する際に特定のブランド名や商品名を入力していません。そのため大手企業も中小企業やD2Cブランドも、Pinterestでは平等に潜在オーディエンスにリーチでき、新しい顧客と接点を作ることが可能です。
このように、企業は購入意欲の高い消費者に対してフルファネルにアプローチできます。現在、小売りや消費財をはじめとした様々な規模の企業がブランド認知やコンバージョン向上の目的で、Pinterestアドを活用しています。
さらに私たちは、コンテンツの安全性に関しても力を入れておりポジティブな環境を守るためのポリシーを展開しています。
MZ:具体的にどのようなポリシーやシステムを設けているのでしょうか。
石井:2020年にはコロナに関する誤った情報を排除し、2021年にダイエット広告をいち早く禁止するなど広告のポリシーを厳しく制限しました。2022年9月にはJICDAQ(一般社団法人デジタル広告品質認証機構)が定める第三者検証の認証基準に基づき、広告会社(広告購入者)事業領域のブランドセーフティ分野において「JICDAQ認証」を取得するなど、ユーザーの皆様が安心して利用できるような取り組みを継続的に行っています。